第51話『砂の人』@ ナカ 様

まだ、私が、高校生の頃の夏の話だ。
鹿児島の本駅(今では、新幹線の駅)の裏側5~6分の所のマンションに母と2人で住んでいた。
その当時あまりクーラーが得意でなく、寝るときだけ窓を開け放した部屋に布団を、2つ並べて敷き、母と並んで寝ていた。
 ある夜 ふと目が覚めると突然、突風がふきカーテンが、揺れた瞬間、体の上にズシンと何かが乗ってきた感触、
その後、砂が積もるように人の形が出来上がっていった。テレビの砂嵐模様の人だ。体は金縛りにあい、動かない。
すごい力で首を絞めてくる。何か凄い悪意と殺意とを感じた。
私ができることは少し首を動かすことと唸ることぐらい。どれぐらい時間が経ったのか、隣から母の声。
「大丈夫?どうした?」。すると突然、体の上の砂嵐模様の人型のものが風に吹かれた砂のように消えた。
どうもその母の声で消えたらしい。
私は、やっと自由になり身体を、起し「ゴホッ ゴホッ」と咳をし、母に今、あった事を、そのまま話した。
 母も何か異様な雰囲気を感じて起きたらしい。その夜は、窓を閉め、クーラーをかけ寝ることになったが、
金縛りにあい、幽霊らしきものを、見たことも数回あったが、あまりに先ほどの体験が強烈で朝まで一睡もできなかった。
それ以降、窓を開け寝ることはなく、得意ではないクーラーをかけ寝ることになった。