1 生き人形~人形の話~

ようこそお越しくださいました。
もう本当にね、何が楽しいって、みなさんとこうして楽しい時間を共有できるっていうんですか..これが一番ですよね。
毎回感謝しています。

今日のこのセットなんですが、これよく二転三転って言うんですが、五転六転しまして、それでこのセットになったんですよ。
それで今年はじゃあこういった話をしようと決めて、それからテーマを決める。
本当はテーマなんて要らないんです。
というのも、私はいつもあんまり考えないでステージに出てくるんですよ。
座ってから、今日はご年配の方が多いなぁと思ったらご年配向けの話をするし、若い人が多いんだなと思ったらそういう話の流れにいっちゃうし。
ただそのテーマになった話だけはしますけどもね。全部の細かな話は違うんですよね。

それで実はなんですが・・・今回ね、この会場だけ話を変えてみようかなって思っているんですよ。
これ冒険なんですよ。時間の計算をしていないんです。
本当なんですよ?
普通であれば、ある程度の尺が分かっていますから、多少伸びても何分位って分かるんですけども、その計算をしていないんですよ。

それでも、今回なぜそうしたかって言うと..
今年このツアーに入る前ですが、あちこちで「あの話はやらないんですか?」言われたんです。
例えば、このツアーのプロデュースをしている方だったり、スタッフが一般の方に言われたのを耳にしたりね。

「あの話」っていうのも、私の話の中に、【人形の話】っていうのがあるんですよ。
この【人形の話】には前編があって、その人形のその後の話があって、その後のその後の話ってのもある長い話なんです。
ところが長くなるもんだから、いつも前編をぶっ切って後半からやるようにしていたんですね。

この【人形の話】はかなり怖いんですよ。
っていうのも、怪談っていうと怪談話でいいわけでしょ?
ただ、どっから怪談なのかな?って思うわけですよ。どっから怪談話で、どっから現実話なのかな・・・って。

今日も新聞の方もいらっしゃっていてとっても嬉しいんですが、例えば私、雑誌の取材ですとかでですね、
「稲川さん、その後の話の中で一番怖い話を聞かせてください」ってよく言われるんです。
そのたびに私は出来ませんって断っていたんです。時間が長すぎるし、大変で疲れちゃうって。

もしかすると今日ですね、成り行きでこの話を一本し終わった時に、時間が来ちゃうかもしれない。
でも十三日で金曜日で、強引っちゃ強引なんだけども、厚生年金会館だから、しちゃおうかって話になりましてね。

今日はリハーサルもしてないんですよ。普段もあんまりしていないんですけどね。
昔の話ですから、記憶を辿りながら話しますよ。
記憶を辿って、ちゃんと言えるか分からないです。
っていうのも、前半分は、だいぶ昔に起きたことですからね。

実際にお話の中で、聞いていただければ分かるけども、色々起きているんですよ。
ですから今日、これはこのツアーだけで、今日この日だけで、明日からはしません。
今日だけします。
思い出しながらで申し訳ないんですが、聞いてもらえますか?

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