あるテレビ局の霊
東京赤坂にあるT放送、ここの建物は建て替える前にはいろいろな話があったんですよね。 ある時、局から連絡が来ましてね、私の怖い話を編集していたディレクターが倒れたっていうんですよ。 わたしもその話を聞いて、何事かと思いましたよ。 というのもこのディレクターが私の、ラジオでやっている怖い話を編集しようと作業をしていたんですね。 ただ編集室が結構使いにくいんですよね。 それで一番大きなスタジオがあって、そこが一番やりやすいもんだから、そこでもってテープを回して編集していたわけだ。 夜中ですよね、仕事しているのは。 あたりはシーンと静まり返っている。 仕事するにはいいんで、一生懸命机に座って作業してましたよね。 音を録っている。一生懸命ラジオを編集しているわけだ。 何気なくふっと前を見た。 と、ちょうど編集している台があって、すぐ目の前にガラスがあるんですがね、そのガラスの中にスタジオの中が見えるんですよ。 小さい明かりがぽつんと着いているんですが、見るとスタジオの中に誰かがぽつんと立っている。 あれ警備のおじさんかな?、いつ来たんだろう?と思った。 ぽつんと一人立っている。 ただおかしいのは、このスタジオに入るにはまず厚いドアを開けるんですよ。 開けるときに大きな音がするはずなんだ。 それで入っていって、またスタジオの厚い扉を開けるんだ。 2回はドアを開ける大きな音を聞くはずなんだ。 でも、聞いていないその音を。 まぁもっとも自分は一生懸命作業をしていたわけですから、神経を集中させていたせいで聞こえなかっただけかもしれないけども。 (あれいつ来たんだろうなぁ?おかしいなぁ..)とは思いながらもまた仕事を始めた。 しばらくしてまたふっと前に目をやった。 でも、もう誰もいない。あれ、あの人いつ帰ったんだろう?おかしいなぁ..姿が見えない。 帰るならまた音が聞こえるはずなんだ。全く始めと同じなわけでね。 出る時にスタジオの厚い扉を開けて外に出る扉を開けて。 でも、その扉の音を聞いていない。 そんなわけはないんだけどなぁ..と思ったんだけども、まだ仕事があるんで集中して作業を続けた。 しばらく作業していいところまで行ったので、あー疲れた一息つこうかなぁと思ってふっと見た。 編集している台がある。 その台はせいぜい75cmかそれ位ですかね。その机の先を見るとふっと何かが自分の目に映った。 人間の服が見えたんですね。自分の目の前に。 えっ!と思いながら目を上げてていった瞬間におかしいと思った。 っていうのはガラスがありますよね。編集用の台がありますよね。 その隙間ってせいぜい10cmか12cmしかないんですよ。 そんな狭い隙間に人が立てるわけがないんだ。 どうもさっきスタジオにいた警備の人らしいんだけども、警備の服装ではない。 古いタイプのような兵隊の人が着るような衣装を着ている。 途端に怖くなってきちゃった.. たまたま私の怖い話をやっているもんだから余計に気分が悪い。 かと言って黙って座っているのも怖い。 もちろん声は出せないもんだから黙って固まっていると、それがスーッとずれていったって言うんですよ。 細い隙間を。 別に追わなくてもいいんだけども、気になるもんだから彼は目で追っちゃったんだな。 だんだんだんだん目で追っていくと全部が見えちゃった。 スタジオの端の方に男がいてこちらをじっと見ている。 昔の兵隊のような衣装を着ている。 なんだ!?と思ったらそいつが透け始めたって言うんですよ。 見ていたら服は消えて見えなくなったんだけども、顔だけが残って、 その顔がこちらに向かって近づいてきたもんだから、そのまま倒れて意識を失っちゃったって言うんですよ。 そして、朝方本当の警備員の方に起こされたわけだ。 彼は全部編集が仕上がっていないとみんなに言った。 実はこういうわけで倒れてしまったと。 それで警備員さんに起こされたんだと。 そしたらみんな笑った。 お前間に合わないからそう言ったんだろうとか。 お前稲川淳二の怖い話を編集しているから、イメージ作っちゃってるからそう思っちゃんだよ。だらしないとかね。 いやほんとだよ!って言ってもみんな聞かなかったんですが、それから5日くらい経って、 別のディレクターが同じようにそのスタジオで編集したんですが、全く同じ目にあって倒れたんですよね。 あそこのスタジオにはどうやらそういった方が住んでいるようなんですよね。 いくつもそういう話があるんですよね・・・。





