群馬の旅館で - 藤原竜也

中村勘太郎君と映画に出た時に、
勘太郎君の役が道元だったんです。

それでそこの宗派のお坊さんがいらっしゃって、
そのお坊さんに、僕が相談をしたんです。

藤原『例えば芝居なんかで地方に行った時に、
旅館でなかなか寝付けない時があるんです。
そういう時ってどうすればいいんですか?』

お坊さん「それはね藤原くん簡単ですよ。
このお経を唱えて、真ん中・右・左で三回唱えれば、
たいていのものは飛んでいきますから」

それで群馬県にロケに行った時に泊まった旅館で、
広めの部屋で怖いなって思ってたんです。

だから、電気もつけてテレビもつけて寝たんです。
そうしたら、タンスの中のハンガーが鳴り出したんですよ。

(うあ…やだな…そういえばあのお坊さんが、これを唱えろって言ってたな…)
そう思って、真ん中・右・左で三回お経を唱えた瞬間に耳元で…

『効かないよ』
っていう声が聞こえたんです。

前の話へ

次の話へ