寝室の下は駐輪場 - よゐこ濱口優

昔マンションの二階に住んでまして、
そこの間取りは、リビングがあって寝室っていう間取りだったんです。
それでその寝室の下が駐輪場になっているっていう。

僕その寝室でしょっちゅう金縛りにあってて、
当時付き合ってた霊感の強い彼女も寝室に入るたびに、
「ここなんか嫌だ」って言ってたんですけど、
まあそんなに気にしないでいたんです。

それでうちの相方もちょっと霊感があって、
家に来た時に「この寝室気持ち悪い」って言うんです。
まあ僕はふざけてるのかな?位に思って、
そういう事があってもそこで暮らしてたんですけど。

そんなある日、彼女と買い物して帰り道に歩いてたんですね。
そしたら彼女がマンションのほうを見て、不思議そうな顔をしてるんですよ。

それで僕が「何かあったの?」って聞いたら、
彼女は「ううん。何にもない」って言うんです。

マンションにどんどん近づいていって、
ちょうど駐輪場が真正面に見えるところまできたら、
彼女が急にキャーってなったんです。

それで目を隠したまま駐輪場を通り過ぎたんです。
僕が「何か見たんやろ?」って聞くと、
彼女は「何も見てない」って否定するんです。

濱口「いや絶対何かあったやろ?」
彼女「濱口君…ここ引っ越す?」
濱口「いや、引っ越す予定はないけど。」
彼女「そっか…それなら引っ越す事になったら、今日の事を話すよ」

それで数年経って、僕そこを引っ越す事になったんです。
それでその事を思い出して、彼女に聞いたんです。
「そういえば前に駐輪場で、キャーってなった事あったやん?あん時何見たん?」
って。

そしたら彼女が「ああ…あの時ね…」って話してくれたんですけど…

歩いてた時に駐輪場に人が見えたんですって。
で、なんだかその人の大きさがあわへんなって思いながらその人に近づいていったら、
その人が僕の寝室と駐輪場の間に立ってたっていうんです。

首吊した霊が、駐輪場と寝室の間にぶら下がってたんです…

それで後に聞いたら、そこではある事故が起こってて、
実際に首吊りがあったそうなんです。
だから彼女は本当にその首吊りを見てたってことで…

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