イカの大群

320: 都市伝説から 02/12/21 21:58
和歌山県白浜へと海釣りに出かけた時のことだ。
早朝から断崖の上に陣取り、釣りを一日楽しんだ、日が暮れてきたので帰り支度を始めた。
その時、日が沈みきったわけでもないのに、突然辺りが真っ暗になり、海が緑色にギラギラ
と光り出した。「これは一体どうしたことだ」と驚いて辺りを見ていると、海面にバシャ
バシャとものすごいイカの大群が押し寄せているのに気づいた。
「おお! こんな大群は生まれて初めてだ!」うれしい悲鳴をあげると糸を垂らして釣りを
再開した。うわっ! なんて引きの強さだ
 糸に食らい付いたイカの強烈な引きに、何度か海に引き込まれそうになった。
イカにしてはあまりに引きが強すぎる。不審に思ったてもう一度目をこらしてイカの大群を
眺めた   「うわああああぁぁぁぁぁぁぁ!」」
それはイカの大群ではなく、海面から突き出たたくさんの青白い手だった。グイッ!!
さらに強い力で引っ張られ、慌てて釣竿を離した。あと少し離すのが遅れていたら、引きずり
込まれていても不思議はないほどきわどいタイミングだった。
後に聞いたところによると、この場所は飛び込み自殺の名所として知られているらしい。

前の話へ

次の話へ