1匹の亀

548 :初投稿してみます。1/3:2008/01/17(木) 10:28:31 ID:pkg+od0I0
霊的な物では無く私の中に眠る狂気の話です。

私は小学生のころ1匹の亀を飼っていました。
その亀は夏に私が近所のお祭りで取ってきた亀で、我が家に来た当初は
緊張していた為か水槽から出しても甲羅に引っ込んで
中々歩かない様な子でした。

そんな子も、時が経つにつれ少しづつ私に慣れてきました。
水槽から出しても甲羅に隠れず、私の手のひらを
歩き回るくらいにまで私に馴染みました。
そんな変化がとても楽しく、私は毎日学校から帰ってきても友達と遊びに行かず
亀とばかり遊ぶようになりました。

しかし秋が過ぎ冬が来ると亀は動かなくなってしまいました。
亀は死んでしまったのです。
私はとても悲しくて1日中泣いていました。
でも、このままではダメだと思い、私は翌日亀を公園の木の根元に埋めに行きました。

何で死んじゃったんだろう・・・毎日触りまくってたから疲れちゃったのかな・・・

そんなことを考えながら土を掘っていました。
数分後、これで十分だろうと言うような穴が出来上がりました。

「ゆっくり休んでね」といいながら、私はそっと亀を穴の中に入れました。

その時です。
私は、ふと亀の甲羅の中はどうなっているのだろうと思いました。
気がつくと、私は横に置いていたスコップを強く握り締め、大きく振りかぶっていました。
こんなことをしてはダメだと気づいていましたが。何故か何の躊躇もなくスコップを
亀の甲羅めがけて振り下ろしました。亀の甲羅は丈夫で一度叩いた位ではビクともしませんでした。
そして、妙な感覚が私の体を貫きました。
それは物を破壊する喜びと言えばいいのでしょうか。快感です。
小さな子供がブロックで作った物を簡単に壊してしまうような感覚です。
その時の私の顔は恐らく笑っていたでしょう。
その快感を覚えてしまってからは、無我夢中で グシャッ!グシャッ! と何度も何度も
スコップを亀の甲羅目がけて振り下ろしました。 気がつくと甲羅は割れ、うっすらと
緑色の液体がでていました。 「ごめんね」謝って済むことではありませんが
そういいながら、そっと土をかけました。

それからというもの、私は生き物が死ぬとその内部が見たくてドキドキしてしまいます。

犬が死んだときや、祖母が死んだときでさえも・・・・

                             終わり

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