お盆も待てずに帰ってきた

234 :携帯からすまん:2007/03/11(日) 21:23:13 ID:yMIeNO/PO

怖いとは少し違うかもしれんが、昔働いてた時の職場のおじさん(50歳くらい)に聞いた話

そのおじさんが昔、タクシードライバーをしていた時の事。(九州のとある県)
雨が降る夜に繁華街を流していると
若い男が手を挙げておじさんのタクシーを停めた。
その男は傘もささずに顔もうつむいていて
気味が悪い感じだったらしい

タクシーに乗ってもらい、行き先を尋ねると
「○○…」
と町名しか話さない。
その町の方向は、ほぼ一本道なので、とりあえずその町の方へと車を走らせた。
道中、おじさんが「傘は持たれてなかったんですか?災難でしたね~w」
と話しかけても
「…」
何も話さない。あまり話さない人かな?とさほど気にせずおじさんは運転した。
乗車させてから20分くらい経った頃、男が「ここを上へ」と言った。
言われるがままにその道を上っていく。
民家もまばらで寂しい感じがする道を走っていると
男が「ここで」と言った。

車を停めると男は「お金を取ってきます」
と言い残し、すぐ上にある家へと上っていった。
しかし何分待っても戻ってこない。
男が上っていった家を見ても家の灯りはひとつもついていない。
周りにはその家以外に民家はなく、この家が男の家だと思い
おじさんは車を降りてその家へと向かった
家は普通の民家で、呼び出しのベルを押した。
少ししてからおじさんと同年代くらいの女性が、眠そうな目をこすりながら出てきた

おじさんは乗車賃を請求しようと男の事を話す。
するとその女性はみるみるうちに涙目になり、男の背格好などを聞いてきた
おじさんが説明すると、その女性はとうとう泣き出し、
「お父さん!○○が帰ってきたよ!私らの事が心配でお盆も待てずに帰ってきたんだよ!」
と叫ぶ。すると女性の旦那とおぼしき男性が現れ、二人して号泣しながら
おじさんに何度もありがとうと礼をする
おじさんは霊を実家へと運んだ事を悟り、一目散にその家から逃げ出した。

怖い話ではないな。すまん

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