台所の妻

314 名前:おさかなくわえた名無しさん[sage] 投稿日:2006/10/30(月) 02:04:59 ID:IAu44lWi

日曜日の朝、昼まで寝ていた俺はボーっとしながらリビングへ向かった。
トントンと包丁の音、台所では妻が昼飯を作っているようだった。
テレビをつけて携帯を見ると一昨日妻に内緒で行ったコンパで番号を教えてもらった女性から着信履歴があった。
寝巻きのポケットに携帯を入れて台所を横切ってトイレに急いだ。
小声でその女性と何でも無い会話をしていたらキャッチが入った。
妻からだった。
俺はこっそり電話しているのがバレてしまったのかと思い慌てて電話に出ると「もしもし?今起きたの?娘が部活で怪我したみたいで今迎えに行ってるからお昼は冷蔵庫のものをチンして食べて」と言われた。
電話の向こうから車の中のラジオの音も聞こえた。
電話を切らずにトイレを出て台所のドアをそっと開けて覗いて見ると、台所の妻は携帯なんか持ってなくて、包丁を持って何もないまな板をただ切っていた。手に握った携帯からは「もしもーし?」と妻の声がしている。
台所の妻と目が合ってしまった。ゾッとした俺はパニックになって家を飛び出して、「早く帰って来い」ともう一度妻に電話をして、二人がが帰って来るまで外で待っていた。
妻と娘が帰って来てから状況を説明して、みんなで家に入ったが誰もいない。
台所には誰かが作った料理が家族分用意されていたが誰が作ったのか分からず、妻と娘には寝呆けていたんだろうと言われたが、そんなわけはない。
それじゃあ料理の説明がつかないし、俺は料理なんて出来ない。
不思議だ。

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