同行二人

149 :同行二人 1/2:2006/10/02(月) 16:09:39 ID:7+a0+tdf0

怖いというか、不思議な話なんだけど。

俺の曽祖父が90代の大往生をした。
その数日後、近所のお爺さん(80代後半)も亡くなった。
このお爺さん、足腰が丈夫だった頃は、
よくうちの祖父のところに遊びに来ていた人。
近所に米寿こえた人もそう多くないし、長い付き合いだったから、
多分、お互いに一番仲が良い友人だったんだと思う。
曽祖父の亡くなった場所はお風呂だったんだけど、
後々聞いた話によると、この友人のお爺さんもお風呂で亡くなったそうだ。
ちなみに、祖父の命日は友引だった。

曽祖父とその友人のお爺さんのときは、
二人とも大往生だったこともあり
俺も家族も「こういう偶然ってあるんだなぁ」ていうくらいに受け止めてた。

それからしばらく経って、
曽祖父の初七日や四十九日などの法要も一段落して
曽祖父達の死の不思議な出来事も忘れかけていた頃のこと。

近所のお爺さんが亡くなった。
もともとは元気な人だったようなのだけれど、
最近体調を崩して入院していたその入院先で
容態が急変して亡くなったそうだ。
お爺さんには、自宅に長年寝たきりの奥さんがいて、
お爺さんは普段、同居している息子夫婦と一緒に
奥さんの介護を頑張っていたらしい。
お爺さんの死去は、急だったこともあり、
精神的な負担になってはいけないからと
自宅にいる寝たきりの奥さんには伏せておいたそうだ。
しかし、お爺さんが帰らぬ人になったその翌日、
奥さんはご主人であるお爺さんの死を知らぬまま、
亡くなってしまった。

なんつーか、怖いっていうより、
どっちのケースも曽祖父とその友達のお爺さん、
近所のお爺さんとその奥さんの友情や愛情を感じて
ほんのり哀しいけどなんとなく穏やかな気持ちになった。
こういう人生の終わり方もあるんだなって。

合掌

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