集金です

300 :骨皮ほねお:2006/09/03(日) 13:44:18 ID:jtevEgKk0

昨日の夜中、正確には今日の深夜3時の出来事。
俺の家は都市部から離れたド田舎の一軒家で嫁、子供の3人暮らし。当たり前だが
この時間、俺達は川の字になって熟睡してたんだ。すると「・・・ポーン」
って音でまず、俺が目が覚めた。何の音だろうと思って布団の上でボ~としてると
「ピンポーン!」と真っ暗な部屋の中でドアチャイムが鳴り響いた!
携帯の時計を確認すると、AM3:10頃。横で寝てる嫁を見ると
嫁もチャイムの音に気づいたらしく、不安そうに俺の顔を凝視していた。
どうしようか。。。誰だ、この時間に・・と思ってると、また「ピンポーン!!」
俺は覚悟を決めて立ち上がると玄関に行きドアスコープを覗いた。
ドアから庭をはさみ門扉までは、約10メートルその門扉前に家の中を窺うように
3人の中年男が立っていた。
(なんだ、人間か・・)と思い、俺はホッとしたが、男たちの手に持ってる物に
驚愕した!
男たちは金属バット、鉄パイプみたいなのを持っていた。これはおかしい!と思った瞬間
「ピンポーン!ピンポーン!ピンポーン!」とチャイムを連打してきやがった。
俺も嫁もパニックになって、とりあえずインターホンの受話器を取ってみた。
俺「・・・なにか」
男「・・・集金です」
俺「は・・・?」
男「集金です。開けてください」
俺「何時だと思ってるんですか?明日にして下さい」
男「開けろっていってんだ!!!!!」

俺は受話器を置くと、たぶん0.5秒くらい考えたと思う。ある計画が思いついた。瞬間、嫁に
「俺が外に行ったらすぐに鍵をかけて警察に電話しろ!」
と言った。
「警察が来るまで待っておこう」
と嫁は言ったが、この田舎には通報してから警官が駆けつけてくるまで
10分以上かかるという伝説があるw
「言うとおりにしろ!」
と俺は一喝すると、服を脱いで全裸になった。そして、洗濯物から嫁のパンツを見つけて穿いた。
嫁はこんな俺を見てさらに怯えてる。
玄関に行くと電気を付けて、スコープを覗くと男たちは門扉を乗り越えようとしてる!
俺は玄関にある、フルフェイスヘルメットを被ると、武器を探した・・・がロクな物がない!
唯一あるのは、5月に嫁が実家から持って帰って来て置いてある2メートルほどの鯉のぼりだった。
もう考えてる暇はない!俺はそれを手に持って靴をはいた「全裸+パンティー+ヘルメット+鯉のぼり+革靴」
という姿になり息を整えた。インターホンの受話器を置いてから、ここまで1分もかかってないと思う。
スーと息を吐いて玄関ドアを勢いよくバン!!と開けると俺は
「きょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」
と奇声を上げて男たちに突進していった!!
男たちはドアが開いた瞬間に、男が奇声を上げてこっちに突っ込んで来るのを見て、一瞬動きが止まったが
俺の変な姿を見て、怯えの表情を見せたかと思うと我先に逃げ出した。
俺は「計画が成功した」と頭で冷静に考えながらも、行動と思考回路の大半は狂人と同じだったと思う。
俺は全力疾走でまず目の前の一番強そうな男に追いつき、鯉のぼりで背中をフルスイングした!
「ぎゃあああ」と男はもがきながら倒れた。
それを見て俺は他の男を捜した。一人は見あたらなかったが、もう一人鉄パイプ野郎ががこっちを見て動きを止めてる。
多分仲間が、やられて冷静になったのだろう。攻撃態勢を整えている感じだった。

俺は頭の片隅でヤバいと思ったが、もう一方ではアドレナリン出まくりだったので、鉄パイプ野郎に
突進しながら
「ひめねさあああああん!しんじゃ~~~~タ~~~~~~~~~あああああああああ!!!!」
と何故か、ナウシカのセリフを叫んだ!その声を聞いて鉄パイプは野郎は怯えた表情になったので、俺は
「レンコンキッーーーーク!!!」と意味不明の言葉を叫びながら、鯉のぼりを投げつけた。
鉄パイプ野郎が鯉のぼりを避けた瞬間、俺はそいつにタックルして馬乗りになった。
しかし、この30年間人を殴った事の無い俺はどうしていいかわからないし、拳で人を殴るのが嫌だったので
地面にある土を鉄パイプ野郎の口にねじ込んで、ヘルメットで頭突きをしまくった。
「やめてくれ!」
と男が言った気がしたが、土で何言ってるかわからない
ガツンガツンと頭突きを繰り返してると、背中に痛みが走った。振り返ると消えていたバット野郎が俺の背中を叩こうとしていた!
このへんで俺はかなり冷静に戻っていたので、その月夜の下のバット男を見た瞬間に怖くなって、逃げる体勢をとってしまった。
バット男はそれを察知したのかニヤリと笑って、もう一度バットを振り下ろしてきた!しかしバットはヘルメットに直撃しただけだった
かなりの衝撃はあったが、俺は勇気をふりしぼり
「ううううううわあああああああああああああああ」
と叫びながら飛び掛っていった。その時にやっとパトカーのサイレン音が鳴り響いてきた。男たちもそれに気づいたらしく、バット男は
俺を振り払い、他の2人も闇夜に慌てるように消えていった・・・・

俺は助かったーと思いペタリとしゃがみこんで、股間をみた。
「ああ、これは俺のお気に入りのパンツだ」と訳わからん事を考えながら、ハッと気づいた!警察にこの姿を見れるのはマズイとw
あわてて、家に戻った俺は嫁の泣き顔に迎えられた。

あれから数時間、事情徴収がおわって一休みして帰ってきたよ。全身アザと擦り傷だらけになった俺を見て
嫁は「格好悪かったけど、カッコよかった」と笑ってくれた。

ちなみに3人組は「集金です強盗」らしいw年寄りとかは「集金です」といわれると夜中関係なくドアを開けてしまうらしく、
そこへ押し入って強盗を働くとの事。はやく捕まってほしいが、あの姿の事を警察に言われるのは恥ずかしいな~

前の話へ

次の話へ