幼馴染

105:名無しさん@おーぷん:14/07/07(月)19:19:51 ID:5c7mArmA9 ×

俺の幼馴染はかっこ良くて中学の頃には毎年、数人の女の子から告白されていた。
あるバレンタインの日には俺が呼び出され幼馴染にチョコを渡す様に頼まれたりもしていた。
幼馴染とは仲が良く幼い頃から良く泊まり行っていた。
高校も同じ高校だったが部活で忙しくなった俺は少し疎遠になり掛けてた。
高2に進級する頃のある日に突然、相談があると持ち掛けられ俺が夜しか時間が取れないので久々に泊まりに行く事になった。
約束の時間に幼馴染の家に行くと幼馴染のお爺ちゃんが出て来て
「ここにはもう住んで無い。電話で呼び出すから玄関で来る迄待ってろ。」との事でよく理解出来ない状況だった。

暫くすると幼馴染が俺を迎えに来て説明は相談内容にも含まれてるから家に着いたらゆっくり話すとの事。
少し小高い坂の途中の山道を入るとポツンと建ってる家がある。以前は空家だったが今は修繕して幼馴染の家になっていた。
人目を避ける様に建ってる、その家は少し寂しい様な雰囲気がある。
まぁ、今は幼馴染が住んでるし問題無いだろうと家に上がった。
幼馴染の相談というのは兎に角寂しいって言うものだった。
俺が知らなかった複雑な家庭環境を次々と話だし泣き崩れる。

複雑な家庭環境とは、俺が幼馴染の家だと思っていた家は母方の実家だったそうだ。
両親共に浮気をしていて幼心でも浮気に気が付いてたそうだ。特に母親が幼馴染に感心が無く一度も飯を作って貰った事が無く父親が世話をしてくれてたらしいが仕事が忙しくなるにつれ金だけ渡して小学低学年の頃には見かねた母方の実家で暮らす様になってて俺は其処へ泊まりに行ってたらしい。
中学卒業と共に母方の実家の説得も虚しく浮気相手と駆け落ちして出て行ったらしく婿養子として結婚してた父方の性を名乗る事になっていたがクラスが違って疎遠な俺は気づきもしなかった。

母方の実家も愛情と言うより義務的に世話をして貰ってたらしく人の愛情みたいなものが全く分からないと、だ
から兎に角寂しくて堪らないとの事で俺には聞いてやる事しか出来なかった。
一頻り泣いた後、抱きしめてくれとの事だったので暫く抱きしめてやった。

「今日は泊まって行くんだろ?一晩だけ抱きしめたまま一緒に寝てくれないか?気持ち悪いと思われるかも知れないが誰かにそばに居て欲しいし、こんな事を頼めるのは幼馴染のお前くらいしか居ないんだ。」と言われて気持ち悪いなと思いつつも泊まるつもりはあったが部活の練習試合が近く朝練の用意を忘れて来た事に気が付き深夜だったが帰る事にした。帰り際に「お前はメチャクチャモテてたし直ぐ彼女くらい作れるだろ?彼女が居たら寂しさも紛れるんじゃないのか?wてか、俺も彼女が欲しいけどなw」と軽口を叩き帰った。
それからは間も無く幼馴染が高校を辞めたと噂で聞き家へ行ってみたが留守だった。
時間がある度に行ってみたがいつも留守だった。
25歳の頃、ある話を耳にした。

フレディ・マーキュリー似の男と住んで居るらしいとの話だ。
その話で幼馴染は母親のだらしなさのせいで女に全く興味が持てなくなり男しか受け容れられなくなったとの事。
俺には思い当たる事が山の様にある。いくら告白されても誰とも一度も付き合わずハードな洋楽ばかり聴いて、
やたらとスキンシップが好きで身体を触って来た事。
裏ビデオを手に入れて一緒に見ようと誘ったが興味をなさそうだった事。
女の子にバレンタインや誕生日にプレゼントを貰っても全部、誰かにあげてた事。
そして相談にのってた日に抱きしめた時、幼馴染の身体がやたらと熱かった事・・・
あの日、朝練の準備を忘れずに持って行って泊まってたら俺は・・・ウ、ウワァアアアアアア!!!

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