痴漢

105 名前:本当にあった怖い名無し :2005/11/07(月) 10:42:26 ID:wwKS0lSOO

わたしは今年の春、大学に通うため上京しました。
田舎住みだったので満員電車も初めて。人間が寿司詰め状態、きっちり箱型に押し込まれる朝の中央線に少し慣れた入学式から数週後。
その日は薄手の膝丈スカートをはいていました。
車内に入った途端、押されまくってあっという間に真ん中へ。
ジャンプ競技みたいな変な姿勢になりつつも、通勤特快に乗ったため国分寺から新宿までノンストップ。

私の前には私とたいして年の違わない学生風の男がいました。
そして、発車から数分程たった頃…スカートの上から何やらもぞもぞと指が動く感触が。完璧に固まってしまい、目だけで周りを見回していました。
前にいる彼はイヤホンを耳につっこんで平然としています。
どこから手が伸びているんだろう…と、必死に冷静を取り戻そうと頑張りながら私は周囲を眺めました。

学生風の彼の後ろにいるオジさん達はたたんだ新聞を読んでいるか後ろを向いている。
横にいるオジさんは吊革を掴んでいて、後ろは香水の匂いがしたので女性だと思いました。
と、なると前にいる学生しか犯人はいない。思いきって下を向くと、案の定…でした。
驚きました。
こんな、若くて普通(すごいかっこいいわけじゃないけどキモかったりダサかったりはしない)な男が痴漢なんかするんだなー…って。
痴漢って、したくてもできないオジさんの欲求不満解消だと思ってました。
で、なんか急に腹が立ってきて思いっきり横を向いたら太股を掴まれました。
嫌だったけど声は出せずにそのままでした…

新宿に着くと彼は人の流れに逃げ入るようにして去っていきました。
わたしも、自分のふがいなさや男への嫌悪感にモヤモヤしながら、遅刻するといけないから駅へ降りました。
…それで終わりならただの痴漢被害話なのですが、最寄り駅が同じなのと学生で生活パターンが似ているからか、今でもたまにそいつと遭遇するんです。
特に、遅刻しそうになって通勤特快に乗るとき。
乗ってから気付くんです…「あ、あいつがいる!」って。
今さら文句も言えないし、下手に近寄ってまた何かされるとイヤなので20数分間の乗車中、ずっと相手に気付かれないよう縮こまっています。
それが、私の生活で唯一霊より何よりこわいことです。
スレ違いになってしまったかもしれませんが、誰にも言えないのでここに書いてしまいました。
長々読んで下さった方、ありがとうございます。

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