呪文

182 :本当にあった怖い名無し :05/02/08 07:43:46 ID:dZvYD0qB0
昨夜のこと。夢に知らない子供が出てきた。内容ははっきり覚えていないが 
なんだか怖い夢だったという印象のまま目が覚めた。 
そして直後に金縛り。 
体が動かない上に、喉と左肩をグイグイ押されている。指一本で押されている 
ようだが、その指が妙に細いような感触がある。 
とりあえず、痛いからやめてもらえませんかねぇ、と懇願してみた。 
さらにグイグイ押された。喰い込んでくる。痛い。このままじゃヤバイ。 
だけど金縛りなんて、どうやって解いたらいいのかわからない。 
喉と肩の痛みに焦りながら、ふと以前読んだある作家の体験談を思い出した。 
要約すると、その人が金縛り中にある呪文を唱えたところ、相手が消えたという話だ。 
その作家はこれは攻撃の呪文だから、使わないほうが良いと書いていた。 
しかし呼吸も困難になり、命の危機を感じていた私としては、それにすがるしかなかった。 
うろ覚えのその呪文を心の中で唱えてみた。…変わらない。間違えているのかもしれない。 
でもこれしか方法がない。再び呪文を唱えた。 
すると、耳元で声がした。甲高い男の子の声だ。私が唱えるその呪文を一緒に唱えている。 
効いてないじゃん。っていうか、バカにされてるし。 
ブチっと切れた私は、怒りに任せて手足を動かした。…金縛りが解けた。 
なんだ、怒れば良かったのか。あんな効かない呪文を唱えたりして、かえっていやな目に 
あってしまった。身勝手なことながら、怒りが込み上げてくる。 
一方、うろ覚えだったのが気になって、私は上記の本の呪文を確認してみた。 
私が唱えた呪文は間違えていた…。そりゃ、効かないし、バカにもされるだろうよ…。 

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