船医という職業
187 ：本当にあった怖い名無し ：05/02/08 10:54:43 ID:Yw7PWXJO0
船医という職業がありますよね。
豪華で近代的な船、太陽が鳴り渡るような青い空と、
陽を受けてキラキラと輝く海、時には暴風雨に襲われる事もあります。
それでも、おいしい食事に、頼られ信頼される船上での地位、普通に考えれば楽しくて遣り甲斐のある仕事なんです。
処が、殆どの船医が10年と続かない。船の乗組員などはずっと続くのに、です。
その理由を今からお話しましょう。
私の父も船医でした。
彼は70年代から80年代にかけて世界を一周する程の旅を船医として船で過ごしたそうです。
船医の仕事は普段は、気楽な観光客なんです。
ただ、怪我人や病気の人間が出た時だけ彼は呼び出され患者を診察します。
彼が言うには、怪我人というのはさほど深刻には思わないそうです。
怪我と言っても船の上ですから、たかが知れているしなんて事は無いんだそうです。
ただ、病人の場合には事情が変わってきます。
洋行中の船の中で病人が発生した場合、あまり知られていませんが船医は伝染病の疑いに注意を払わなければなりません。当然のことです。
ワクチンや特効薬のある病気であっても、まず船に積んではありません。
全ての伝染病のワクチン用意しておくことなど現実的に不可能です。
ではそんな伝染病患者が発生したらどうしたら良いでしょう。
薬させあれば簡単に治る患者ですが、もし伝染病が船内に広まれば、
乗客乗員の大半が倒れる事態も有り得ます。
...下船して頂くしかありません。
