餅が十五個なくなる

556 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :04/01/04 19:00

知り合いの話。
彼の実家では、毎年暮れに餅を搗くのだそうだ。 
山奥の田舎ということで、親戚一同集まってかなり大規模におこなうらしい。 
ある時、搗いた餅の数を数えていた彼は奇妙なことに気がついた。 
いつの間にか、出来上がった餅の数が、十五個ほど少なくなっている。

家の者に言うと、毎年いつものことだと軽くいなされた。 
どんなにしっかり管理しても、十五個だけは必ず失くなるのだという。 
「我が家には神様がおられるからの」お婆さんはこう言って笑っていた。

本当に神様だったらいいんだけどな。 
彼はそう言って肩をすくめていた。

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