山中のダム

244: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 2005/06/22(水) 19:00:03 ID:9DsbDFBM0
同僚の話。
彼は仕事の関係で、ある山中のダムへ足を運んでいる。 
いつの間にかそこの管理人さんと仲良くなり、四方山話などするようになった。 
聞かせてもらった話の中に、ひどく不気味な物があったという。

ダムの一角に、下の水面が覗き込めるようになっているポイントがあった。 
丁度、柵の切れ目に当たっていたらしい。 
「悩み事とかある人は、一人であそこに行っちゃいけないんよ」 
「飛び降りちゃうからですか?」 
「うんにゃ、突き落とされるんだ」 
「・・・誰にですか?」 
「いや、誰も居ないみたいなんだけどな」

悲鳴を聞いて駆けつけると、青い顔で「誰かに後ろから押された」と訴えられる、 
しかし周りには誰も見あたらない・・・そんなことが過去に何回かあったのだと。 
毎年何人か投身自殺があるが、その内には死ぬつもりなどなかったのに落とされた 
者もいるのかも。管理人はそう疑っているのだそうだ。

つい先日、そのポイントには高い柵が設けられたそうだ。

前の話へ

次の話へ