ハリウッドが恐れる呪われた映画 - コトブキツカサ

ハリウッドでは最も呪われた映画があるというんですね。
これがATUCという作品なんです。



ATUCというのはイヌイット語で「おじいさん」という意味です。
1963年にカナダのある作家が書いた小説を元にした映画なんですね。

アラスカに住んでいるイヌイットの軍団がニューヨークに移り住むんです。
そうすると生活習慣が違いますから、ニューヨーカー達といざこざが起こるんです。
それがコメディータッチで描かれているんです。

実は1980年代初頭にこのATUCの脚本はすでに出来ていたと言われています。
当時トップコメディアンだった俳優に出演オファーがいったんです。
その俳優とは、ジョン・ベルーシ。



ジョン・ベルーシは当時コメディー映画の中ではナンバーワンの俳優だったんです。
オファーがいったジョン・ベルーシも、快諾しました。
そして撮影準備に入り数ヶ月経ったんですが、とんでもなく悲しい出来事が起きてしまったんです。
ジョン・ベルーシが亡くなってしまうんですね。



ジョン・ベルーシは当時33歳という若さでした。
そして急遽代役を立てないといけないということで、ある俳優に出演オファーが届きます。
サム・キニソンという俳優です。
この方もコメディー界では非常に有名な方だったんです。



クランクインしたんですけど、その後にまた悲劇が起こってしまいます。



サム・キニソンはスタジオに向かう途中で交通事故で亡くなってしまうんです。
主役に立てた二人が立て続けに亡くなってしまうんです。

そして数年後。
今度はジョン・キャンディという俳優に出演オファーが届きます。



この方はホームアローンやクールランニングだとかにも出演している有名な俳優なんです。
彼もATUCの出演を快諾しました。
けれど三人目の主役も心臓発作で亡くなってしまいます。



ちなみにキャンディーだけではないんです。
マイケル・オドノヒューという人物なんですが、この方は誰かというと、キャンディーの友人であり、脚本家なんです。
この彼も脳出血で突然死んでしまうんです。



友達のキャンディーにオファーが来たということで、二人は一緒にATUCの脚本を読んでいたんだそうです。
ATUCの脚本を読んだ二人とも死んでしまったんです。

これからまた数年が経ちます。
なぜだかまたこの映画を作ろうという話が出てしまいます。
そしてクリス・ファーレイという俳優にオファーが行きます。



ファーレイというのも、サタデーナイトファイブで大変有名になった俳優で、主演の映画も何本かあるんです。
彼も死んでしまいます。



ただこんなに立て続けに死人が出ても、誰かがまたATUCを撮ろうと言い出すんです。
そしてついにまたその映画が撮影されることが決定され、この人物にオファーがいきます。
フィル・ハートマン。

ただハートマンに関してはちょっと事情が違いました。
ハートマンはそのオファーを断ったんです。
「いやいや、自分はそんな怖い映画に出演できないよ」と断りました。

ただどうしてもと何回も頼まれて、頼み込まれてハートマンは主演を引き受けてしまいます。
そして彼は引き受けたあとに射殺されてしまうんです。
実の奥さんに射殺されて亡くなっているんです。
何故奥さんが射殺したかは分かっていません。

これを気にATUCは完全にお蔵入り。
闇に葬られました。
ちなみにアメリカ映画史上、最も笑えないコメディー映画だと言われています。
この映画の脚本なんですけども実際にこの脚本が何処にあるかは誰も分かっていないんです。
最後にオファーから十七年の時を経ているんですが、もしかするとこれを知った映画関係者が呪われたATUCの脚本を手に入れて映画製作を考えているかもしれません。
信じるか信じないかはアナタ次第です。

前の話へ

次の話へ