『最期のコトバ』

ソウさん  2008/08/23 11:27「怖い話投稿:ホラーテラー」
「ちょっとぉ、何時だと思ってんのぉ?早く寝なさい!」

「お兄ちゃん、私にもパソコン貸しててよぉ。」


『わかった、寝るよ。また明日な!』

あ?、ウザイ。。
母さんと妹が部屋を離れたのを確認し、再び電源を入れた。


この時間は誰にも邪魔されたくはない。

現実とは違い、この世界は無限だ。知りたい情報はすぐわかるし、刺激的な映像も見れる。

そして、気兼ねなく何でも話せる仲間達もいる(本名は知らんが)。

多少辛口な時もあるけど、悩んだ時相談にのってくれて、お陰で自分にも自信を持つことができるようになった。

人間関係にめんどくさくなった僕には、ココは大切な居場所なんだ。




また、アイツ来てるわ。

アイツとは、1ヶ月前からちょくちょく、いつものサイトに来てる奴だ。

将来漫画家になりたいらしく、作品(?)を載せるときもある。

だが、絵も下手クソだし、誤字脱字ばかりで文才もなく、世間知らず。おまけに、学校ではイジメにあってるらしい。


はじめは、アイツのいろんな悩みを聞いてやっていたが、マイナスのオーラっつうの?たまにイライラしてくる。


以前の俺を見てるみたいで、嫌だったんだろうなぁ。

アイツも男なんだから、変われよな!


この日はいつになく、イライラしていた。


このタイミングで、懲りずに投稿したアイツも運のない奴だ。

言葉の暴力っていうのかな、ついつい今までためていたストレスをぶちまけてしまった。


『っつうかさぁ、誤字脱字多いし意味わかんねぇし、才能ないと思うよ』


「ごめん、携帯まだ馴れてなくて。」


『馴れて→慣れて』


「間違えた・・(笑)」


『携帯の問題じゃねぇわ』

「だよね・・。」





『その性格変えろよ、男だろうが。』





「実は、今まで隠してたことがあって・・」





『はっ?』






「女なの。仲間に入りたくて、男の子のほうがみんなも話しやすいって思ったから・・。」





『嘘ついてたんか?まぁええわ、全然どうでもいいし。オマエ、ウザイ。逝ってよし。』












次の日、


妹が自殺していた。

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