予知夢2

916 :本当にあった怖い名無し :2007/06/20(水) 05:54:02 ID:OFrbjPef0
2006年の話。おれは全く霊感とか信じてなかったんだがこのことがあってから 
意識するようになった。うちの母は霊感があり、白くてふわふわした霊のような 
ものが見れたりして、若いころは霊能力者に力があるから修行しないかと誘われる 
くらいだったらしい。とは言ってもうちの母は特に心霊好きというわけでもなく、 
本人もその類のものを胡散臭いぐらいに思っている。おれも、根っからの理科係 
だもんだから、こんな話くだらないと思って気にも留めてなかった。

おれは大学生で一人暮らしをしている。普段うちの母から電話がかかってくる 
ことはめったにないのだが、その日に限ってかかってきた。何かと思ってでて 
見ると大一声で「困っていることがはないか?」と唐突に質問。「何で?」と 
聞き返すと「昨日夢でお前が泣いているのを見た。」と言う。おれは笑って 
言った「ないに決まってんじゃん。夢とか知らないよそんなの。」 
しかし、たかが夢の話なのに妙に母は食い下がり異常に心配している。 
おれには予知夢など全く価値がないものとしか思えなかったから、「大丈夫だよ」 
と適当に返事をしてそのまま電話を切った。 
母の尋常ではない態度が少し気になって一応考えてみたが、そのときのおれに 
不安な要素など何一つなかった。第一泣くことなんて想像もできなかった。

その日はたまたまワールドカップの日本VSオーストラリア戦だった。母の意味の 
わからない夢の話など記憶のかなたに葬りさって、ビールを片手にTV観戦に熱中 
した。試合は日本が1点先取するも、逆転され3-1で負けるという散々な内容 
だった。がっかりしながら、見ているとジーコの監督インタビューに移った。 
何を言うのかと思ったら、ジーコが泣いていた。ブラジルの神様が日本のチーム 
のために泣いていた。気がつくとおれももらい泣きしていた。そしてはっとした。 
母は、夢でジーコが泣くのを見てもらい泣きをしたおれを見たのだと悟った。 
母は正確に予知夢を見ていたのだ。この世にはまだ不可思議なことがあることを体感した

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