少女

 
美和さん  2008/07/21 19:37「怖い話投稿:ホラーテラー」
ある昼下がり。
小鳥のさえずる森の中を、一人の少女が走っていた。

「おかあさん!どこにいるの?」

叫ぶ少女。だが答えは無い。

そのうち少女は、とある家の前に辿り着いた。
「ここね!ここにいるのね!」

そう言って少女は扉を開けた。

だがそこにあったのは、たった一つの日記帳。

何も無い家の中心にポツリと置かれている。

少女はそっと手に取り、読み始めた。


5月16日
明日は楽しい楽しいクリスマス。 プレゼントがいっぱい。とっても楽しみ。


5月17日
サンタさんがこない。
サンタさんがこない。
サンタさんがこない。


5月18日
昨日はとっても楽しかった。サンタさんにいっぱいプレゼントもらっちゃった。
でもおかしいなぁ。そのプレゼントどこに置いたんだろう?


9月33日
時計の針がね、ゆっくりゆっくり私に近づいてくるの。


12月65日
今日ね、お外に出てみたの。
そしたら人がいっぱいいたんだよ。
いっぱいいっぱいいたんだよ。でもみんな変な色だった。なんでかな?



少女は突然、日記帳を閉じた。少女は気付いてしまったのだ。 そう。少女は、気付いてしまったのだ

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