1301 :よっさん:2011/07/17(日) 22:56:04 ID:8l3ikF3U0
はじめてこのスレに書き込ませてもらいます。

新しくできた友人に遊ぼうぜと誘われたので一緒に遊んだ。
まず一緒にチャリでカラオケにいって,散々歌った後その友人の家に行って,遊ぶなり雑談したりする,
というスケジュール。

当日,予定どうり俺と友人はカラオケにいって3時間ほど熱唱し,
店をでて,さあ友人の家にいこうぜ!ってなった時に友人が言った。

「・・・何あれ」

え?と思い友人が見ている方を見ると,店の前に止まっているチャリの一台の荷台に・・・

手が。手がつかまっていた。
左の腕。肘からちょっと先くらいまでの。

気持ちわりいんで,気になって仕方がなさそうな友人に
「きっと悪趣味な飾りだろ」とか言って,
出発させた。

その後,友人の家でしばらくだべり,帰る時間になった。
友人の家は団地の7階。友人と別れてエレベーターに乗って1階に下りた。
扉が開くとそこにはその棟の住人(&その他諸々)の,チャリやバイクが置いてある場所に出るが,
扉が開いたとき,俺は思わず
「えっ・・・」
と言って固まってしまった。

今日の昼間。カラオケ店でみた手。あの手にそっくりなものが,
いやもうそれそのものが置いてあるチャリの中の1台の荷台につかまっていた。
俺のチャリは不運にもそのチャリの隣。とても行く勇気は湧かなかった。
どうしよう・・と迷っていたまさにその時。

手が,荷台から離れた。宙に浮いたその手は,俺の方に向きを変えてゆっくりと飛んできた!
「まずい!」と直感した俺は,急いでエレベーターを閉めて7階のボタンを押した。
が,閉まりきる直前にその手の先が入ってきて扉に挟まれた。

そのままエレベーターは上昇し始めたが,その手は肘の部分を扉に挟まれたまま,
何かを(たぶん俺)探すように暴れていた。
俺は絶対につかまってたまるかと,エレベーターの壁にぴたりと背を付けていた。
今にも心臓が止まりそうなくらい怖い。生きた心地がしなかった。

7階に着くとチンと音がして,手は扉に吸いこまれるように消えた。
急いで友人の部屋まで行き,その日は泊めてもらった。

もうあのカラオケ店には絶対行かないと決めた。
またあの手に出会ったら,次は逃げられないと思うからだ。 

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