門外不出

 
113 :Yelemiah ◆WEwX02h9Es :2006/08/11(金) 23:18:19 ID:PPB4iHRE0

私の家には門外不出とされているものがあります 
そのことについて語りたいと思います 

あれは小学生の頃のことでした 
「家にある大きな建物」というだけで探検したくなったものです 
その時に私はある古い倉庫にはいりました 
そこでは珍しい形の貨幣などが見つかりました 
年代でいうと現在から数百年昔以前のものだったでしょうか 
この貨幣を代表として数々の古い品物を発見しました 
あまり丁寧に保管されていたのではなかったため 
ほとんど錆びていて状態が悪いものばかりでした 
このように大抵のものは雑に扱われるような状態でした 

しかし現在も保管され唯一その輝きを失わないものがあります 
それはある二振りの「刀」です 
この「刀」のみ倉庫ではなく母屋に保管されていました 
危険なものなので丁寧に扱っているという理由ではなさそうでした 
何故なら他にも脇差と見られるものが倉庫で見つかっています 
保管場所が異なり扱いも異なることから疑問が残りました 


現在は見ることを禁止されているので確認することはできませんが 
以前にたった一度だけ見る機会がありました 
その時は白く鋭い光を放つその刀身に魅入られるような感覚でした 
記憶を辿っていくと時代劇等で使用されるようなものではなく 
詳しくはないのでわかりませんが単純に刃と柄という感じのものです 
その柄の部分に漢字が細かく書き込まれていました 
当時は意味が全くわからなかったのですが今考えてみると 
仮名表記が無かったのがとても不思議であるとともに 
何か特別な意味を持っているようにも思えます 
長く漢字のみで構成される文章その意味も今では確認でしません 
これが二振りのうちの片方でもう一振りは見たことすらありません 

親に聞くとまだ自分が見たことの無い刀は取り出しても良いらしいですが 
以前見た鋭い光を放つ刃の刀はもう見てはいけないそうです 
見てよいはずのものを見ることが無く 
見てはいけないものを見た 
というおかしな状況になっていました 

この「刀」は一体どのような過去があるのか 
何故見ることも許されないのか 
など様々な疑問が生まれてくるものでした 

追記ですが保管場所というのは神棚のさらに上にある小さな棚です 
私の家は間違いなく仏教のはずで仏壇きちんとありますが 
にも関わらず神棚があり都合のいい様に「刀」が収まる程度の棚もあります 
この神棚と「刀」との関係はもう知ることはできません 
そこに隠された真実を知る人はもういないのです 
私の持つ血の半分を知ることが出来ないように・・・ 

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