呪詛

334 :きよぴー:2009/06/10(水) 13:05:27 ID:17HFdndk0
はじめまして。

高校生の時に体験したお話をさせてください。
あれはちょうどインターハイが近づいて夜遅くまで学校の道場で弓道の練習をしていた頃でした。
学校は太平洋を見渡せる高台の頂上にあり周囲は森で囲まれていて夜は大変薄暗く不気味でした。
いつもの如く自転車で通学路の坂を勢いよく下っていると、突然目の前を白いものが横切りました。
あわててブレーキをかけて止まりましたが周囲に人影はなく動物の気配も感じられません。
ビニール袋でも風で飛んできたのかとおもいそのときはあまり気にせずに
また自転車をこぎだしました。
家につき、食事と風呂をすませその日は何事もなく寝床につきました。

しかし、ベッドに入ってから数時間たったでしょうかあまりの寝苦しさに突如として目がさえてしまいました。
水を飲みに起き上がろうとしましたが、なぜか体を動かすことができません。金縛り…!!
なんとか、首を動かしてあたりを見回すといつもの自分の部屋の中に、ひとつだけ奇妙な一角をみつけました。
瞬間、僕は凍りついてしまいました。
部屋の北隅に髪の短い女が白いワンピースを着てうつろな姿で立っていたのです。
その女は少しずつ、少しずつ、僕が寝ているベッドに近づいてきて
ついに、顔と顔がくっつきそうなところまで接近してきました。
あまりの事態に声をあげようとしたのですが、口からはひゅーひゅーと息が
もれる音だけしかでず、その間に女は僕の耳元に口を近づけると
ぼそぼそと話しはじめました。
それは、ある男への呪詛の言葉でした。(言葉は自分にむけられていましたが、
自分はみにおぼえがないので人違いだろうと思います。)

次第に女は興奮してきたのか、声を荒げ怒りの表情で顔は醜くゆがみ
まるで鬼のようでした。女はふところに手を入れると大きな包丁を取り出し
大きく振りかぶりました。
このままではやられてしまう><
そう思った僕は、必至で声をだそうともがきました。
女の刃が自分の胸を貫こうと振り下ろされた瞬間!
うちで飼っていてとても大切に面倒をみていた犬のラムがドアに取り付けてあった犬用の通用口から
踊りだして、女に飛びかかりました。
あわてた女はその場で霧散し、同時に僕の金縛りもとけました。

その後に学校の先生から聞いた話でわかったのですが、
その昔、通学路の脇で死体遺棄事件があったそうなのです。
被害者は20代の若い女で、当時付き合っていた男に殺されて捨てられたそうなのです。

その加害者の男は、今も服役中で今は県外の刑務所にいるそうです。
当時新聞になった記事に加害者の男の写真が載っており
それを見た時にはまた氷ついてしまいました。
その男の当時の顔は高校生のころの僕にソックリ瓜二つだったのです・・・。

その後、僕はお祓いを受けて、女の幽霊に会うことは現在までありませんでした。
人違いで殺されそうになるとは・・・皆さんもお気をつけて・・・。 


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