死神

268:本当にあった怖い名無し:2006/01/12(木) 03:02:33 ID:FsX0SgtB0

いきなりだけど、10年前に同棲してた彼女の話。
このスレ住人に馬鹿にされるかもしれんがーかわいかった。

ただ、夜の時間帯に外に出るのを常に嫌がってた。「霊を見ちゃう。」って。
内心、こいつのおつむ大丈夫か?なんて心配してたが、
それ以外は全くもって普通以上、昼間の街に買い物なんぞ行く時には常に自慢の彼女だった。

ただ、あの日から彼女はちょっとずつ変化してしてきたんだ。
最後には気がおかしくなったんじゃねーのか?って思えるくらいになった。
まぁ結果ふられたから今となってはヨシとするけど・・・

10年前の夏、俺が夜勤してた時に彼女は友達に誘われたらしく、居酒屋に飲みに行ったんだ。
ただ、彼女は飲めないからひたすらジュースで付き合ってたところ、高校時代のの同級生軍団がその居酒屋に来た。当然盛り上がるわな。
「肝試し行かないか?」って話になって、霊的にやばい場合はR子(←彼女の名前な)が分かるからーという話になり、
彼女はさんざん断ったあげく、友人のお気に入りがその同級生軍団の中にいるという事で、彼女は付き合う事にした。
行った先は、ある映画の撮影でも使われていた、某市のレジャーランド。

10年前はサバゲの会場にもなってなかったし、パンチパーマの方々に囲まれるという事はまるっきしなかった。
噂を聞きつけた奴らが毎週のように肝試しに来ると言う噂は聞いてたし、
なんせこちらは大人数だから大丈夫と思ったって後から聞いた。

某レジャーランドに着いたとたん、彼女は誰かに見られているような気がしてた。
しかも、その誰かに「クックック」と笑われているような感じがした。
彼女「嫌な気がするから、まずいから帰ろう!」
同級生「こんな大人数なのに、よっぽど怖がりなんだなぁ。」
彼女「人数は関係ないの!ホントに帰りたい・・」
同級生「大丈夫、みんなの真ん中にいれば平気だよ。それに駐車場にこんなに
    車があるって事は、中にはいっぱい人がいるって事だから。」
彼女「う、うん。」

とりあえず彼女を囲むようにして駐車場から料金所(ゲート)に向かったら、彼女は「ゲートの上に何かがいる!」って叫んだ。
当然周りの奴らは誰も見えないし、ここまできたら信じる気も無し。
唯一、女友達だけが信じてくれたらしいが女二人騒いだところでどどうしようもなかった。
ゲートの上にいた何かとは・・彼女曰く「死神」。
スレ住人たちも見たことあるだろ?ボロボロのマント着て、手にデカイ鎌もってるやつ。
彼女の話だと本当にあの姿のままらしいぞ。
信じられないだろうが・・

嫌がる女の子二人を同級生たちは手を引っ張ってゲートまで連れてった。
そしてゲートに入ろうとした瞬間、何人かの男の顔・シャツ・腕は血しぶきを浴びた。
彼女はその死神に切られたんだ。右腕の二の腕部分から肘先10cmにかけてざっくりと。

周りは全く訳分からず、近くの救急病院に行ったがどうして切れたのか説明できずじまい。
警察まで巻き込んでの大騒動となったが、原因は不明。
医者曰く、「カマイタチ」だろうとの事。

夜勤明け、帰ると誰もいないアパートに驚き、携帯に電話しても出やしない。
やーっと帰って来たと思ったら、元同級生の男を何人も引き連れていやがる。
なぐっちゃろうかと思ったら、腕には包帯ぐるぐる巻き。俺はもう何がなんだか分からない状態になってしまった。
そしたら男たちが急に玄関先に正座して「無理やり肝試しに誘ってしまい、すみませんでしたぁ!」って謝り始めたからびっくりした。

ただ、そのあと徐々に彼女の性格が変わっていった。
今思うと何かが憑いてのかなとしか考えられない行動をとるようになったんだ。
今まで大事に育ててた猫を急に虐待し始め、あわてて俺の実家に猫を避難させた。
虐待なんてもんじゃない。

普通皮膚がちぎれそうなほど噛むか?歯で毛をむしるか?常人なら絶対にやらないような事をし始めた。
隣町に除霊で有名な人がいるから行こうと思ったが、「俺に会いたくない。」って急に実家に帰ってしまった。

彼女とはそれっきりしゃべってない。
偶然、彼女の親と車ですれ違ったが、ものすごい表情で俺の事睨みつけてた。
なにも俺はしてないんですけど・・・

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