中古バイクのシール

313 :その1[sage] :04/08/29 16:06 ID:RbF7/qAs


偶然の産物かもしれない話ですが。
数年前に彼氏がヤフオクで中古の250ccのバイクを落札しました。 
古い割りに走行距離や程度も良く殆ど乗ってないようだったので、 
多少手入れをすれば充分走るものが割りと安く落札できたと喜んで 
いました。 
引き取りに行き、現物を確認したところ風防に女の子の名前のシールが 
貼ってあったのすが、出品者によるとその人が中古で入手した時から 
貼ってあったそうです。 
250ccの中でも小ぶりのバイクなので女性がオーナーのことも多い車種らしく、 
そのときは別に何とも思わなかったそうです。

持ち帰ってからシールをはがし、掃除をし、手入れをして乗り始めました。 
間もなく、飛び出した猫を避けようとしてプチこけして、軽いうち身、 
翌月は路肩駐車の車の横を徐行して通り過ぎようとしたときに車のドアが 
空いて転倒、擦り傷、打ち身でしばらく通院しました。 
さらに翌月、前を走っていたバイクの無謀運転の貰い事故でまともに 
こけて、肋骨3本骨折。 
どの事故でもバイクは擦り傷程度で、走行に問題ない程度のダメージ 
だけど、人の怪我はグレードアップしていく感じでした。

初めの頃の事故は大した怪我でもないので「あらら・・・」と思いつつ 
心配をし、怪我が小さくてよかったねと思う程度でしたが、 
さすがに3ヶ月続けてどの事故も、不可抗力な状況で事故っているのが 
話を聞いて怖くなった私は、浅草寺で身代わりお守りを貰ってきて 
彼に渡そうとしましたが、オカルトや宗教ちっくな話は全く信じない人なので 
受け取ってもらえず、笑って済まされました。 
仕方が無いので、その御札は次に浅草へ行ったときに返してこようと 
思ってそのまま私のドレッサーの引き出しの中に入れてしまいました。 
その御札は小さな木の板のようなものが身代わり守りと書いてある和紙で 
くるまれたものです。
3度目の事故の怪我が治って、またバイクに乗り始めて間もなく、 
4度目の事故が起きました。 
給油を終えて、道路に戻るために一時停止していたところにチャリに 
乗って携帯をいじっていた女子高生が突っ込んできて転んでだひょうしに 
あごを縫うほどの怪我をしてしまったのです。

一方でお札を返しに行こうと思って引き出しから出すために手に取ったら 
中の板が割れていました。和紙の上から指でなぞったり押してみると 
確かに割れています。 
「あれ、割れてしまってる?なんでだろ?」と思うと同時にいや~な感じが 
したのですが、その夜彼からのメールで昼間に自転車に突っ込まれて相手が 
怪我をしたということを聞きました・・・。

数日後、彼と会ったときに御札が割れたことを話し、もうあのバイクを 
処分するか、もう1台の400ccだけ乗って欲しいと、真剣に頼み込みました・・・。
色々重なった上にその話を聞いた彼は、ついに問題のバイクを手放す決心を 
したようで、その後ほど無くして中古車屋さんに売り払いました。 
そして、 
「前の持ち主は入手して何度か乗った後ずっと納屋に仕舞いこんで 
いたらしい。だから程度が良かったんだけど、もしかしたら、前の持ち主も 
何かあって乗るのを止めたのかもね・・・。 
初めに貼ってあったシールの名前の女の子、もしかしたら、元々の持ち主か 
その彼女とかで、死んでたりして・・・。」 
とオカルトは気のせい、偶然と鼻で笑う人がつぶやいたのが忘れられません。

怖い話ではないのに長文スマソ。 
あのバイクを売ってから、彼は無事故でずっと元気です。



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