腕(2)

365 :あなたのうしろに名無しさんが・・・[sage] :04/07/05 00:10 ID:ExaEcFiW

ずっと封印してた話。誰にも言ったことがなかった。 
もう時効ってことで書いちゃいます。
俺が高二の頃、家中留守で、部屋でくつろいでいた時。 
漫画とか読みながらゆっくりしていると、隣の姉の部屋からゴトゴト音が聞こえた。 
「なんだろう?」とは思ったけど、触らぬ神に祟り無しってことで、あえて詮索せずにいた。 
そのまま漫画を読む事数十分。 
またも姉の部屋から、今度はドン!と何かが床に落ちる音。 
流石にちょっとやばいかもとか思い出してきて、漫画から目を離して扉を凝視していた。 
俺の部屋は基本的に開けっ放しなので、そこから姉の部屋の扉が見える。 
何か動きは無いかと待ち構えていると、微妙に姉の部屋の扉が開いた。 
ギィ・・・みたいな。 
そのときはっきり見た。 
俺のすね当りの高さの腕が、扉を押し開けるところを。

正直、心臓は鳴り止まないし、逃げ出したいとも思った。 
けど、好奇心のほうが勝っていたのか、そのまま俺は座ったまま扉を見ていた。 
姉の部屋のヤツは、そのまま動きを見せない。 
物凄く時間が長く感じられて痺れを切らし、俺は思い切って声をかけてしまった。 
  「誰かいるのか?!」 
と俺が声をかけたのとほぼ同時で、腕はもう少し扉を開けた。 
が、俺の声にびっくりしてか、腕は一瞬で部屋の中に引っ込んでしまった。 
またも沈黙が訪れる。 
多少気分にも余裕が出てきた俺は、正体を確かめてやろうと立ち上がろうとしたその時、 
姉の部屋の扉がバーン!と物凄い音を立てながら開いたと思ったら、 
途中でピタッ、と止まって再びバーン!と凄い音を立てて閉まった。 
俺は、誰かが帰ってくるまで身動き一つ取れなかった。
その後、姉の部屋を見せてもらったけど、特に怪しい奴はいなかったです。 
あれはなんだったのかなぁ・・・

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