青白い顔

35 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ :03/01/28 22:14
信じるかどうは別としてとにかく実話である。

高校の頃までは、けっこう金縛りに遭う方だった。
ある日、また霊的なモノが出るとき特有の急速な金縛りを食らった(体の疲れからくるときは、ゆっくりと動かなくなっていくのを知覚するヒマがあることが多い)。
「きたっ」
と思うと、足元の辺りに大きな青白い顔が浮かんでいた。
顔そのものの長さが1mくらいか?
とにかく大きく見えた。
性別はわからない。
顔は俺をじっと見つめ、どうしようもないので俺もガンをたれ返す。
数分か、それとも数十秒でしかなかっただろうか?
やがてソレは消えた。
俺は恐怖に駆られて頭から布団をかぶり、固く目を閉じて朝を待った。

この青白い顔事件は俺が出会った中でも怖めな出来事だったが、実をいえば俺は幽霊やらそういったものを、本心ではあまり信じていないフシがあった。
そして、ゆっくりと時を経るに任せて忘れていった。 

しかし。
大学に入ってから、自称霊感少女(割とかわいかった)に出会った。
二人で喫茶店で話していると、何の拍子か怪談話となり、彼女は自らの恐るべき体験談を次々と話す。
半信半疑だったが、とにかくリアリティに富んだ話をにこにこしながらさらりと述べるので余計に怖かった。
話を聞きながら、俺はほとんど忘れかけていた、例の青白い顔事件をはたと思い出した。
「あっそうだ、俺も昔金縛りとかあってさ。これこれこんなことがあったんだ。まあ、半分夢じゃないかと思ってるんだけどさ」
「ふーん」
 ひとつうなづくと、彼女は微笑みながら言った。
「それ、本当の話なんだね」
「はぁ? なんでそう思うの?」
「だって、今○○さんの後ろにその人がいるから」
「なっ……!?(硬直する俺)」
「女の人だね。でもいいひとっぽいから大丈夫、守ってくれてるみたいよ」
「あ、そう……はは、そう、ならいいんだけど、はっはっは」

電波か? 電波なのか?
否。彼女はいたってマジメで、よくできたふつうの大学生であった。
俺はそれ以来、なんとはなしに霊的なモノを本気で信じるようになった。

長文スマソ。 

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