血まみれの男

20 名前:血まみれの男 :03/01/28 02:23
結構よくある話っぽいけど、実話です。

大学2年の定期試験の時でした。
私はあまりマジメな学生ではなかったので、テストの時はいつも
友達からコピったノートで一夜漬けしていました。
その日は水曜日、テストは朝1限のみで、
夜明けまで勉強していて寝ていなかった私は、
そのテストが終わると同時に家に帰りベッドに倒れこみました。

まぶたは重かったけど、夏の暑さのためかなかなか眠れません。
うとうとしているうちに浅い眠りで夢を見始めました。
交通事故、車と車が正面衝突し見事なほどに大破していました。
場所は見知った国道の交差点で、家の近所で事故の多い場所でした。 

私はそろそろと一台の車に近寄りました。
割れたガラスの内側で、血を流した男がハンドルに覆い被さっているのが見えました。
私は更にそば、ドアのところまで近寄りました。
するとその瞬間、それまでピクリとも動かなかった男ががばっと起き上がり
両腕を伸ばして私の首をぐっと掴みました。
その血まみれの形相に悲鳴をあげた私は、ショックで夢から目覚めました。

現実に戻った瞬間、私は我が目を疑いました。
視線の先には夢と同じ血まみれの男がいたのです。
ベッドに横になっている私の上に、馬乗りになって首をしめていました。
驚きに目を見開いたまま、声も出せない私に向かって、
男は「夢じゃない」と言ってにやりと笑いました。
思わず私が両腕を男に向かってぶんぶんと振ると、男はすっと消えました 

結局それがなんだったのか、数年たった今でもよくわかりません。
男が消えた直後、私はすぐにベッドから飛び起き、
階下の台所で昼の用意をしていた母のもとへ駆け込み恐怖のあまり号泣しました。
母は勉強疲れが見せた幻覚だったのだと一笑に付しましたが、
どうしても怖かった私は、それからしばらくの間弟と部屋を交換しました
今では大分トラウマも消え、その部屋を使っていますが、
時々その男の顔と「夢じゃない」という声を思い出します。

ちなみに件の場所でその頃そんな大きな事故はなかったと思います。

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