亀甲

928 :あなたのうしろに名無しさんが・・・ :02/12/16 20:22

すごく不思議な体験をしたことがあります。実話です。
三年前の夏の夜、京都の宝ヶ池公園という場所で、当時のバイト仲間たちと 
飲み会をしていたんです。イイ感じに酔っ払った私は、友達のバイクを借りて 
無免許なのに池のまわりをぐるぐる走ってました。

すると、ふとした拍子に道からそれて林の中に紛れ込んでしまったのです。 
足場が悪く、道らしい道もなくなり、私は転倒してしまいました。 
ふくらはぎをマフラーで火傷し、ひざからはたくさん血が出ていました。 
まわりは一面 木、木、木。 
やっとバイクを起こして、エンジンをかけようとしてもなかなかかかりません。 
ひとりだし、怪我してるし、友達のバイクは壊れてしまったし、ここがどこか 
わからず、ひどく遠いところに来てしまったようだし、もう泣きそうな時に 
彼があらわれたのです。

上半身を赤い縄で亀甲縛りにした、はげのおじさんが。

どこからともなくスタスタと駈け寄ってきて、「大丈夫か?」 
と声をかけてきました。わたしは最初、ジョギングの人かと 
思ったのだけれど、そんな森の中、亀甲縛りで走ってるなんて 
あきらかにおかしいです。 
わたしはひたすらうなずいて、強気に「大丈夫!」と言いました。 
すると彼は「そうか、」と走り去りました。

混乱した私は、そこからはもう根性で、バイクはおいて一人でひたすら 
歩き、林を出て道路沿いのプールバーまでたどりつき、そこの従業員の 
お兄さんがたに助けを求めて、車でみんなのところまで連れて行ってもらいました。

不可解な出来事でした。 
妖精でしょうか?

前の話へ

次の話へ