リモコン

416:本当にあった怖い名無し:2009/05/16(土) 08:33:19 ID:fX0aEv6cO

深夜に布団をかぶってベッドに寝転びながら携帯いじり。 
横向きになって壁の方を向いて寝転んでいたが、
同じ姿勢は疲れるので仰向けになったりまた横向いたり。 
壁と逆の方では見る気もない深夜番組を、小さなテレビが垂れ流していた。 
厚手のカーテンで外の明かりも入らず、テレビと携帯の明かりで白みがかった部屋。 
シンとした中でテレビの雑音だけがざわざわと騒がしかったが、突然 

――プツン 

と、テレビの電源が落ちた。 
途端に部屋は暗く、静かになる。 
ハッと振り向くがもちろん部屋には一人きり。携帯の明かりだけが部屋で光っている。 
携帯をパクンと閉じる。しばらくして携帯のサブディスプレイすらも消えると、 
電灯の紐の先についた蛍光プラスチックが仄かに光るだけで、
部屋はほぼ完全な暗闇になった。 

停電か?と思いその電灯の紐をひっぱってみると、普通に点灯。 
おかしいなぁ、と思いながらもテレビをつけようとリモコンを探すが、見当たらない。 
仕方なく主電源を押すと、これもまた問題なく番組が流しだした。 

電灯を消して再び横になる。 
携帯を開こうとすると――プツン 

再び暗くなる部屋。 

なんだ、このテレビもう壊れたのか?といぶかしむ。 
仕方ないなぁ、とテレビの方に向きなおると――プツン―プツン 
一瞬電源が入り、またすぐ消えた。 

ここにきてさすがになにか気持ち悪いぞ、という思いが沸きはじめた。 


しばらく真っ暗な部屋でじっと息を潜めて見るが、テレビは消えたままだ。 
なんだか気持ちわるい。 
もう寝てしまおうと布団を頭までかぶり、ごそごそて寝る態勢を整える。と、 

――プツン 

テレビの音が聞こえだした。同時にお尻の下に硬い感触。 
ああ、なんだ、リモコン踏んでたのか。 

どうやら布団の下にリモコンが入りこんでしまったらしい。 
もぞもぞと取り出すと、やはりそれはテレビのリモコンだった。 

安堵の息をはく。オチもついたしもう寝よう。 
リモコンの電源ボタンでテレビの電源を落とした。 
部屋にはテレビの主電源の小さな光が赤く光っていた。 

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