一輪車

312 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ :02/07/26 01:30
うちの近所の公園の話。

厨房時代の夏休み、親の目を盗んでは深夜に外出して
仲間と公園に集まってました。
そんなある日、いつものように3~4人で喋っていると
急に友人の1人がうわっ!と言って立ち上がったのです。
彼は真っ青な顔でだらだら汗をかいて暗がりの広場の方を
凝視していたので、皆も広場に目をやると、何とそこには
誰も乗っていない一輪車が動きまわっていたのです。
我々は暗いから人がよく見えないんだと思い、思い切って
近くにいくといつの間にか一輪車を見失ってしまいました。
広場には街灯が2つある以外は何もなく、ずっと見続けていたのに
見失うはずがないのにその広場には一輪車も誰もいませんでした。
それ以来最初に一輪車を見た友人は、何かにとり憑かれたかのように
おかしくなってしまい、高校に進学してからは音信不通となりました。
他の仲間とは今も交遊があり、時々この時の話がでてきますが
あの一輪車は一体何だったのか、音信不通の彼は今何をしているのか?
そもそもまだ生きているのか・・・謎のままです。
ほんのり。 

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