284 :本当にあった怖い名無し :sage :2005/08/01(月) 13:22:01 (p)ID:fdlui7WW0(3)
H県とS県(T県だったっけ?)の境目に、A山という山がある。 
学生時代、その山を含む周辺の山を縦走したときの不思議な体験話でも。 

メンバーは大学の先輩6人、新入部員でで縦走初参加の自分、他大学の学生 
10人ぐらい。母校は女子大だけども、先輩たちは縦走を何度かこなしている。 
他大学は共学だがメンバーは全員男性、新入部員3名もアウトドア経験は 
結構あるという、私にとっては頼もしいメンバー。 

スタートしてから最初のあたりは天候もよく、結構良いペースだった。 
途中、先にキャンプ予定地を目指し、夕食の準備をしたり、キャンプを張ったりする 
グループと、横に逸れてはいるが、キャンプ予定地に続く道のある山を登るグループに 
別れ、私は後者のグループに入った。 
予定では山頂に3時ごろ到着。30分ぐらい休憩を挟んでまだ明るいうちに下山することに 
なっていたのだが、登山を始めたとたんに濃霧発生。 
おかげで頂上に着いたときには、辺りはだいぶ薄暗くなってきていた。 
明るいうちに下山しようと、休憩もそこそこに出発。だが、案の定すぐに明りなしでは 
歩けないくらいにあたりは真っ暗になっていった。 
道も、明りが照らすわずか先までしか見えない。 
「……遭難?」 
その言葉が頭に浮かんだとだった。 

「おい、アレ!!」 
少し先に見えたのは何かの「光」 
きっとキャンプを設置したグループの誰かが、あまりの遅さに心配して迎えにきてくれたのだろう。 
安堵のため息をつき、さぁ、もう少しだとその光を目指して歩き始めようとした。 
「行くな!!!」 
他大学の先輩の声が響いた。 
「……あの光、変じゃないか?」 
よくよくその光を見れば、確かにおかしかった。左にゆれ、右にゆれたかと思えば、急に上下に 
勢いよくゆれ始める。 
明らかに、人間の持つ明りの動きをしていなかったのだ……。 

その後、光を無視しながらなんとか無事に下山。 
キャンプ地にたどり着いた。 

光は、キャンプ地につくまで、まるで自分たちをどこかに呼ぶように、道を外れた斜め前を 
漂っていたが、キャンプ地がある広場についたとたん、消えた。 

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