ひょろり
704 :本当にあった怖い名無し:2012/07/30(月) 17:52:50.56 ID:M5o7AZrs0
バイト上がりの帰り道、自宅最寄り駅に行くにはA線からB線にの駅に乗り換える必要がある。
その乗り換えには交通量の多い大通りを行くのが一般的なんだけど、
その大通りは神社のある丘を迂回する道で、交通量が多い割りに歩道が狭くデコボコしていて歩きにくかったため、
俺はいつもその丘を階段で登り、神社の脇を通って、急な坂道をくだるという人気のない道を選んでいた。
その道は今も使われているのか分からない古い図書館と神社の間にある道で、
ほとんど人気が無く、町の中に在っても神社のうっそうとした林で夜はとても暗い、
数個の街灯があるにはあるが白い光が弱すぎて逆に木々や笹薮の陰を色濃くするせいで、
その道の薄気味悪さを際立たせていた。
いつもおそるおそるつかってて、でも軽い肝試し感覚でその道を使ってたんだけど、
今日はなんかいつにも増して怖いな、と感じて足早にその神社の脇を通り抜けた。
そして神社がその林に隠れてほっとして、ふと神社の敷地に隣接して在る月ぎめ駐車場に視線を送ったときだった。
ナニかがいた。
人じゃない。
駐車場に停められたミニバンの後ろにいたそれは、
頭から下まで全身が白い毛むくじゃらで、「ひょろり」と体が細く、それでいて頭だけが車のタイヤ並みに巨大だった。
猿とふくろうを混ぜたような横顔に思わずぎょっとした。
そして息を呑んだ俺に気付いたのか、それはゆっくりとこちらに顔を向けてきた。
あわてて視線を前に戻して気付いていないふりをすると
それは、ひょろひょろの体を伸ばしミニバンを乗り越えるように、上から俺の顔を覗き込んでこようとした。
内心うわーうわーとビビリながら俺は大股でとっととそいつから離れようとした。
そして白いナニカを必死に視界に納めないように士ながら震える手でポケットからタバコを取り出して火をつけた。
幽霊とかオカルト的なものにはタバコの煙が効くっていうのをどっかで見た気がした為
俺はタバコの煙を肺から強く吐き出しながら目的の駅に向かう坂を下りはじめた。
一息、二息すって少し落ち着いた俺は今のはなんだったんだ、何かの見間違い?
いや、たぶんそうだろうと自分に言い聞かせるように考えつつ三息目の煙を神社と駐車場があった左のほうに吐き出した時だった。
突然、左の耳元で「ギィエ…!?」と潰されたカエルの声を人が真似したみたいな声が響いた。
直後ザザザと神社の笹薮が揺れる音に思わず振り返るが、視界に映ったのは暗くて細い道と真っ暗な神社の林だけだった。
その後、急いで駅に向かい無事に自宅最寄り駅のマックで一息つくことができた。
そこであれはなんだったんだろうなって思い返したとき、ふとあることに気付いた。
俺は神社があるほう、道路の左側に向かってタバコの煙を吐いたんだけど、
その声がさらに左耳元で聞こえたってことは、そいつは俺の真後ろにいたんじゃないかな…?
もしあのまま帰ってたらあれは家までついてきたかもしれない。
いや、タバコで本当にあれは逃げだしたのか、もしかしたら今でも俺の後ろに・・・。
以上で終わりです。長文失礼しました。

