千葉のおせんころがし
143 :本当にあった怖い名無し:2012/04/26(木) 02:03:43.25 ID:pgIOtoNNO
結構前に千葉のおせんころがしに友人と肝試しに行った時の話。
獣道みたいな通りに生えている背よりも高い草を踏み潰しながら、慰霊碑の前に辿り着いた。
辺りを調べてみると柵の向こう側は断崖絶壁で、こんなところからおせんさんは落とされたんだなあと、しみじみ思った。
風が全くない為か、波もとても穏やかで、余計な音が全くしないこの空間は、まるで1枚の絵を眺めてる気分にさせられた。
ふと横を見ると友人が柵を乗り越えようとしている。
慌てて腰を両腕で抱え後方に引っ張ると、友人は微笑みながら言った。
「ごめんごめん!なんか落ちても痛くなさそうだったんだよね。」
その次の瞬間"お姉ちゃん"とだけ呟く子供の声が耳元から聞こえた。
「もう帰ろうよ?何か気持ち悪くなってきたし。」
と、私が多少なりとも声を荒げながら言うと、友人が私達がここまで歩いて来た道、つまり帰り道の方向を睨んでいる。私もそこを集中して見ていると、ザザザッ ザザザッ って音が聞こえた。
何かが這っている音?多分その様な音がするのだ。
もし得体の知れない何かが近づいて来ているなら、段々と音は大きく聞こえてくる筈なのだが、その音は最初に立てた音と同じ大きさのまま、背の高い草が此方側に倒れながら近寄り続けている。
「ねえ!何か来てるよこれ!どうしたら良い!?」
友人が私に向かって吠えるが、後ろは断崖絶壁の為逃げられないので、じっとしている他に手段はない。
友人と手を繋いで草が倒れながらこちらに迫って来るのを只管見詰めていると、黒く長い髪の毛を生やした人間らしき物が、草むらを押し倒しながらニョキッと出て来た。
両腕を使わずに蛇みたいにザザザッ ザザザッと近寄って来る。
雑音のない空間に何故か響く男の変な声と、ザザザッ ザザザッ って音。そのザザザッ ザザザって音が、私達の数センチ手前で止まり、人間らしき物が手を使わずに立ち上がった。
茶色く変色した皮膚に、穴が幾つもぽっかり開いて、顔は浮腫んで膨れていた。
そして、それは姿が見えない男が怒鳴る度に、
「ああ惨めだ。」
「ああ悔しい。」
等と言うのだ。
友人と顔を見合わせ2人で頷いた瞬間、また"お姉ちゃん"とさっきの声が聞こえた。私達は車を止めてある方向へ全速力で駆け出した。大声を発しながら草を踏み潰し踏み倒し、全力で引き返した。

