あんまり食べない方

407 :本当にあった怖い名無し:2010/08/21(土) 18:06:58 ID:LIlw5BKFO
若い女性というのは、みんながみんなじゃないんでしょうが、充分細くてもダイエットをしたがるんですよね
これはそんな女性の体験した話なんですがね
彼女、仮に名前を南原さんとしましょうか。南原さんはその時まだ大学生で、大学のラグビー部のマネージャーをしてました
南原さんは芸能人で言うと栗山千秋さんによく似た顔立ちをしてて、体も栗山さんみたいに細いんです
ラグビー部の打ち上げや新歓なんかでも、あまりお酒も飲まないし、食べない人なんですよね
結構美人ですからね、部員の中にもファンはいて「かわいいね」、「きれいだね」なんてよく言われてた
それである年の秋の暮れ、彼女に告白してきた男がいたんです
名前は仮に山県君としておきますが、彼は別にラグビー部の部員とかではないんだ
どういう接点があったかというと、同じ金融制度の授業を受けていて、その授業では五人一班でもって授業の後半は議論をするんですが
その山県君と言うのは彼女の配属された班の班長なんですよね

それでずっと前から彼女のことが気になってて、とうとう我慢出来ずに告白したわけだ
彼女も山県君のことは嫌いじゃなかったですからね、いいよってなもんで付き合うことにした
それからはね、楽しい時分ですよね、付き合い出したころは
一緒に遊びに行ったり、ご飯を食べに行ったりしたわけだ
それで一緒に食事に行くのはいいんですけどね、南原さんは出された料理を残しちゃうわけだ
だけどそこは山県君が「しょうがないな」って言って、残ったの全部平らげてた
それが、いつもの二人のデートの風景だったんだ
だけど付き合いだしてから半年経つか経たないかのころでしたかね
山県君が自転車に乗って大学に行く途中に、車にはねられて頭を強く打って即死してしまったんだ
南原さんもひどいショックを受けましてね、もともとあんまり食べない方だったのが、遂に何も咽喉を通らなくなっちゃった
更に悪いことには、自室に籠もりがちになって、風呂とか以外では家族と顔もあまりあわせなくなった
食事は母親が閉まったドアの前に置いて、食べおわったころにまた母親がドアの前に置かれた食器だとか何だとかを回収するようになった
ところが不思議なことに、籠もりがちになってからというもの、食器が空になって返ってくるようになった
それで母親は、ひとまず食欲があるんならと少し安心したんだ
そんなこんなで、山県君が亡くなってから2ヶ月が過ぎたころ、母親は思い切って南原さんを外に連れ出そうと、声をかけてみた
「ご飯はもう全部食べれるがやろ?そろそろ外にでも出てみんけ?」
すると南原さんは、怪訝そうな顔をして言ったんだ

「私いつもご飯残しとるよ?」

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