最大級にいろいろ実害があった話

54 :1/13:2009/05/01(金) 14:49:26 ID:9+Id9LWx0

49です。

超長文ですまんですが、酔った勢いで書き込む。夏が来るたび後輩やら新しい友達やらに話すネタのひとつ。
俺には霊感が強い兄貴がいるんだが、これがまたしょっちゅう変な体験したりする。そんな話でも最大級にいろいろ実害があった話。
今でこそ笑い話にできるがそのときは怖かった。

俺が中学生のころ、兄貴は市内でも有数の馬鹿高校でDQNをやっていた。んで毎晩毎夜、親の車を盗んで心霊スポット巡りとかをしていたらしい。
よく本屋のレジ前とかコンビニに売っている「恐怖の心霊マップ」みたいな冊子を見て片っ端からまわってたそうな。俺もわりとそこであった心霊体験談とか聞いて面白がっていた。

そんなことをしているうちに、家でいろんな怪現象が起こりまくるようになった。
たとえば、兄貴の当時の彼女(自称霊感持ち)が家に入ってくるなり「この部屋、なんか気持ち悪い」とか言い出して帰っちゃったり、飼い犬に兄貴が散歩をさそっても、ブンブン尻尾をふりながら喜んでたと思ったら震えながら物陰に隠れたりする。
俺が自分の部屋にいるときに居間から「オーーイ」ってなかんじで呼ぶ声がするから、返事をすると誰も呼んでなかった…とかも2回や3回じゃなかった。このころはポルターガイストとか謎の足音とか、キリが無いほどいろいろあったけど割愛。

家族みんなで「なんか変だな?」くらいに感じてたんだが、だんだんエスカレートしていって「これはヤバイ」になるまで時間はかからなかった。

現象その1
兄貴の部屋は一階にあって窓の外が駐車スペース、部屋を出るとすぐ右に玄関という間取りだった。
ある日の夕方、俺と兄貴が兄貴の部屋で窓を背にする形でテレビゲームをしていたら、母親が仕事から帰ってきた。
駐車場に車を止めて家に入ってくるなり、そのまま俺たちのいる部屋に直行してきて「なに?」とか聞いてくる。

俺も兄貴も意味がわからなくて詳しく話をきいてみると、
母親いわく「ロン毛で白い服を着たやつが私にむかってコンコンって窓をノックしてきた。
この家でロン毛なのは兄貴だけだし(キムタクがまだ流行っていた時代w)じっくりと見つめたわけじゃないけど、とりあえず何も考えないで用件を聞きにきた」とのこと。
直前まで俺たちはゲームをしていたし、なにより兄貴が着ていたのは赤いTシャツ。見間違えとかもありえない。まじっすか。

現象その2
兄貴が友達の家に遊びにいった時のこと。
男友達3~4人で行くと、たまたま入り口の近くをその家のかーちゃんが掃除をしていた。
おじゃましまーす、みたいな感じで入って部屋でだべってると、そのかーちゃんがお菓子と飲み物を持ってきてくれた。

そしたら「あれ、さっきの娘は?帰ったの?」とか言い出す。
なんでも、兄貴たちが部屋に入っていったあと、玄関にまだ一人だけけっこう可愛い女の子が残っていたらしい。
男連中のなかで一人だけ女の子というのもちょっと変だなぁと思いながらも、「入らないの?」と聞いたらペコって会釈した。
気付いたらいなくなってたけど(あんたたちの友達の女の子にしては)礼儀正しいイイ子そうだった。とかなんとか。

現象その3
ばあちゃんが泊まりに来ていた日のこと。

俺が朝起きたら家族がなんか家中でバタバタしてる。兄貴は軽くパニック状態w詳しく話を聞いてみると、
前日の深夜、兄貴が寝ているとなぜかサッパリと目が覚めた。

とりあえず真っ暗な中ベッドで仰向けになってボーっとしていると突然、パーーーン!!という音がして
顔の上にバラバラと何かの破片みたいなものが降りかかってきた。兄貴は頭上の電気スタンドの電球が割れた!と思い、
部屋の蛍光灯をつけようとスイッチを入れるもなぜか光らない。焦りまくりながら母親とばあちゃんの寝ている部屋へダッシュ。
そのまま明るくなるまで過ごしていたらしい。

夜が明けてからいろいろ調べてみると、兄貴の部屋のブレーカーだけ落ちていることに気付いた。

今度は兄貴の部屋で電気スタンドを調べてみることに。
この電気スタンドは親父の会社で使っていたもので、オフィス用というか業務用というかごっついタイプ。
電球ソケットとアーム部分をつなぐケーブルが直径1~2cmあるやつだったんだが、そのケーブルがものの見事に真っ二つ。
電球は割れていなかった。

さすがにそんなことが起こって家族びびりまくり。
母親とかドア開けたままウンコする。だって怖いんだもんじゃねえwくせえw

とりあえず何か対策を練ることにした。
その当時はまだ家にネット環境が無かったから
親父に連絡して会社のネットで除霊関係のホームページを調べてもらうことになった。

そこでまた一悶着。

会社で怪しげな除霊方法が書かれたホームページを印刷していたら
出てくる紙が止まらなくなったらしい。

半信半疑だった親父や社員も流石に薄気味悪くなって、
仕事にならないから会社を閉め帰宅しようとするとどこからか「ジジジジジジ…」と変な物音がする。

どうやら窓のブラインドカーテンから聴こえてくるようで、恐る恐る触ってみるとピタッととまる。
離すとまた鳴りはじめる。という怪奇現象が起こって逃げるように帰ってきたと。

で除霊方法は役に立たなかった。ナウマクサンマンダバサラダンカンだったか。あと塩盛ったりした。

さすがにプロに任せようという話になって、近場で最大の神社(仮にH神宮とする)にお祓いをしてもらいに行くことにした。

受付のお姉さんに軽く事情を説明すると「お祓いでしたら5000円コースと10000円コースがございます。いかがなさいますか?」とか言われる。
この時点でちょっとアレな感じがしたが「じゃあ5000円で…」と安いほうを頼んだ。
巫女さんに案内されて神社の奥の部屋に移動した。
お賽銭箱とかがある場所の向こう側で天井から幕が垂れ下がってたり、なんか学校の体育館のステージみたいのがあったりする。

30分くらい待たされたあと、神主さんと巫女さん二人がやってきて儀式を始めた。

神主さんが歌い、巫女さん二人が短刀と棒に白い紙が付いたアレをもってブンブン振り回しながら踊りだすオンステージw

正直笑いをこらえるのに俺と兄貴必死だった。

儀式がはじまって何分かすると、天井から垂れ下がった幕の一切れ、
端っこのほうがカメラのフラッシュがたかれたみたいにピカッピカッて光っているのに気付いた。
後ろを振り向いてみても誰もいないし演出か?と思ったくらいで、
後から聞いてみたら兄貴も気になっていたそうだが母親は全く気付かなかったそうだ。

儀式も終わってなんだか脱力した俺たちは、これで治まってたらいいねとか、悪化してたりしてとか言いながら家路に着いた。

帰宅しひとまずそれぞれ自分たちの部屋に荷物を置きに行く。

兄貴、母親は一階に部屋があって、俺は3階の屋根裏部屋に自室がある。
上着等を置いてすぐに2階の居間に集まった。

そこで兄貴が「3階のおまえの部屋で足音がしねえ?」とか言い出した。
家族でまとまって俺の部屋の様子を見に行くことに。当然だれもいない。

おいおい脅かせやがって、ビビッてんじゃないの?なかんじで2階の居間に戻る。
すると今度は1階からかすかに「ゴニョゴニョ…」て人の声が確かに聞こえる。

ソロソロと兄貴の部屋を見に行くとさっきまで付いてなかったテレビがついている。明らかに悪化している。

こりゃもうだめだ…てなりながら居間でどうしようか話し合う。

かまいたちの夜みたいな雰囲気。母親がタウンページ?イエローページ?を引っ張り出してきていろいろ調べ始めた。
神社がだめならこんどはお坊さんを呼ぶことに決めたようだ。
電話でいろいろかけて、そういう除霊などもやっている場所を何とか見つけることに成功。
そこのお坊さんに詳しい話は直接現場で聞きますから、住所だけ教えてくださいと言われた。

何十分か経過してお坊さんが家にやってきた。そのお坊さんの名前はたしか山田某さんとかいう名前だったと思う。

家に入ってくるなり、前情報無しに兄貴の部屋に入って

「あ、この部屋ですね」
「そこに女の子が一人と、今はいないけど男の霊があと二人出入りしてるみたいです」
「もともとは女の子だけだったみたいですけど、一人憑いてるのをみると俺も俺もって集まってきちゃうんです」

みたいなことを教えてくれた。坊さんすげえ本物。

さっそく除霊の準備がはじまった。
兄貴の部屋を片付けて、部屋の真ん中に祭壇みたいなものを組み立てる。


父 母 兄 俺  という並びで窓を背にして正座させられた。


お坊さんが祭壇に向かってお経を唱えはじめた。

5分かそこらが経って気がついたら左となりの兄貴が母親の方向にメチャメチャ傾いてきている。
小声で何やってんのと聞いてみたところ、「引っ張られてる、めっちゃ引っ張られてる!」と返答がきた。
実際マジで?と思っていると母親も突然「本当だ、わたしの右足にもすごいなんか触ってる!」など言い出す。

そのままお経が進みしばらくしたところで、親父から順番に祭壇のほうまで来るように指示される。
お坊さんに背中を向ける形で正座をさせられて、
そのままお経を唱えながら錫杖?金属の輪がたくさんついた杖で背中をゴリッゴリゴリッとされた。
イタくすぐったくて笑いそうになるのを堪えるのが大変だった。

それで除霊は終了した。

「お兄さんが優しそうに見えたから、気に入って憑いてきちゃったみたいですね。どこか最近そういう心霊スポットみたいな場所にいったでしょ?」
とお坊さんのありがたい説教をされる兄貴。

正直心当たりがありすぎて、何処から憑いてきたのかははっきりしなかったけど、
何箇所かの名前を挙げてたら、ああやっぱりみたいなことを言われていた。

そのほかにも、お坊さんがいままで除霊してきた事例だとか
人が死んだらその場所はどうこう…だとかいろいろな話を聞かせてもらって
最後に家の東西南北の壁に一枚づつ貼る御札を渡してお坊さんは帰っていった。

それから嘘みたいにパッタリ怪奇現象がおさまって、普通の生活ができるようになった。

兄貴はそれから心霊スポットとかには行かないようになった。
まあ行かなくてもあいかわらずしょっちゅう変な体験はする人だが。

御札の効果も最近消えてきたのか、実家で不思議現象がまた起こるようになってきたけど
正直慣れちゃって俺も兄貴も気にしなくなった。母親は気付いてすらいねえ。


ちなみにその後、そのお坊さんを地元の深夜テレビの心霊企画で見たときは吹いた。本物の霊能力者でもテレビにでるんだな。

いちおうこれでこの話は終わりです。漫画みたいな本当の話。

短い文章たくさん書き散らしてしまって申し訳ないです。

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