ぎゅっとつかんだ

140 :本当にあった怖い名無し:2008/11/27(木) 20:51:45 ID:rJYh4UTt0
ちっちゃい頃の話。

私が小学3年生、弟が1年生の時、田舎へ遊びにいき従妹たちとかくれんぼをした。
その家には階段の下に物置があり、狭くなっている方に小さなタンスのようなものが置かれており、
そのタンスの横の隙間を通って奥の狭いスペースに二人で隠れようと弟と相談。
電気をつけているとすぐバレるので、電気を消したまま私が先にタンスの裏に隠れた。
その後を弟がついてきて、暗闇が怖いのか小さい手で私の腕をぎゅっとつかんだ。
しばらくすると従妹の足音が聞こえてきて、まっさきに階段の下の物置の電気をつけた。
(そりゃ隠れるにはちょうど良いスペースだもんなぁ・・・と今になったらわかるw)
そして「あ。弟君みーっけ。姉ちゃんどこにいるの?教えて~」といいだした。
え?と思って隣をみたら、いるはずの弟がいなかった。
そっとタンスの裏から覗くと、弟はタンスの向こう側にいた。
後で怒りながら弟に聞いたところ「暗くてタンスの向こう側にいくのが怖かったからずっとドアの側にいた」と答えた。
じゃああの時、私の腕をつかんでいたあの小さな手は誰のものなんだろう?
怖いとかは特に感じないけど、小さくて温かい手だったのを未だに不思議なほど覚えている。

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