家の子が本当にお世話になりました

82 :1/2:2008/11/24(月) 01:04:46 ID:Y+UFs0UP0
結構前の地味に怖かった話

高校生ぐらいの頃の話になるけど、当時ミリタリーグッズ趣味に嵌ってた
でも田舎暮らしの身としてはそういうのを買いに行くにはバスに1時間強も乗って、大き目の街に出るしかなかった(通販は親にバレるから問題外)
そんなこんなで市街地に出てきたとある日、さあいつもの店に行きますかと思ったら、店がある雑居ビルの入り口に変な若いのが2人たむろしてる
なんだろね?とか思いながら近づくとそいつらはこっちに近づいてきて「今はこっちくんな」みたいないきなりの暴言
ちょいとカチンときたのといきなり何言ってんの?感もあって「は?」と馬鹿な返事するといきなり向こうの一人が掴みかかってきて取っ組み合いに
流石にそんな事になるとは思ってなかったけど「誰か聞きつけて助けに来てくんないかなー」とか思いながら大声出してボカボカやってたら、その声を聞きつけたのかなんと警察官登場
そんなのにとっ捕まったらこの連中とじっぱひとからげに捕まって親呼ばれて大事じゃー!と思った俺は脱兎のごとく逃走し
その日はそのままバスに飛び乗って「しばらくあの街には行けなくなるかな…」とか鬱々としたものを抱えながら家に帰った

そしてそれから数日後の事
高校での授業が終わっての帰り道にいきなりガタイのいい男の人に「○○さんですか?」と呼び止められた
その男の人の威圧感に圧倒されつつ「はい、そうですが」と返事すると側に止めてあった車の中からちょっと年いった感じの男性が登場
その一種異常な状況になんか俺は物凄く怖くなって正直ビビリまくってたら、その人の第一声は「家の子が本当にお世話になりました」

今なんと?とかマヌケ顔して思ってたら、その人曰く
俺がビルに行った時に子供が男達にかなり悪い絡まれ方をしてたんだけど、俺のおかげで警察官が来てくれて助かったんだとの事
それでそのお礼をしたくてここまで来たと言う

俺は別にそんな気も無かった(というか助けたって意識もなかった)から「いやそんなのいいですよ」って言った(正直それどころじゃなく怖かった)
向こうはしばらく「なにかしてほしい事は」「欲しい物は」みたいな事言ってたけど、俺が「だからそんなのいいですよ」と連呼してたら流石に折れたのか
最後は「じゃあ何かあったら連絡してくれれば力になるよ」みたいな事言って名刺を俺にくれて帰っていった
その名刺の作りの気合の入り方で、車の色形やガタイのいい男の人を見た時に「まさかなーまさかなー」と思ってた事が正しかったと証明されてしまった

顔も名前も知らない個人をなぜか突き止めるような力があれば相当な事もできるんだろうけど
やっぱりそういうのは怖いから、結局今に至るまで名刺の人に連絡はとってない

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