私のこと呼んだよね?

370 :ノア ◆WODiPzWX8U :2008/10/13(月) 05:00:50 ID:r44PznGb0
体験話を2つほどかかせていただきます。
==1つめ

にぎやかな場所で友人と2人で並んで座っていました。2人とも漫画を読んでいました。
「○○?」
友人が私の名前を呼んだので、私は漫画を読むのをやめて左にいる友人の方を向きました。
友人は何事もなかったように漫画を読み続けます。からかわれているのだろうか?

「何?」
私が声をかけるとなんだか違和感がありました。それが何かはわかりませんでした。私の声に気づかないのか、友人は漫画を読み続けています。
「何?」
もう一度、今度は大きな声で言ってみました。
やっと友人は顔をあげました。
「ん?よんだ?」
違和感の正体がわかりました。声の大きさです。
私が最初に何?と聞いたときも、友人がよんだ?と返事したときも、周りのにぎやかな声にかき消されて、そうハッキリとは聞こえない状況でした。
でも、最初に私の名前を読んだ声は、ハッキリ聞こえていたんです。まるで耳元で呼ばれたかのように。
ひとりでそれに気づいてしまって怖くなったので、やっぱりからかわれているんだと信じたくて尋ねました。
「私のこと呼んだよね?」
友人は不思議そうに首をふりました。
「いや、呼んでないけど・・・・」
「今、絶対だれかが呼んでた」
「誰が?」
「・・・・・誰だろう・・・・」
「こわっ・・・笑」
友人は笑ってまた漫画に目を落としていましたが、私はなんだか笑える気分じゃありませんでした。
長い付き合いなので友人がウソをついていないのはすぐにわかりました。
でも長い付き合いだからこそ声を聞き間違えるわけないんです。あれは、間違いなく友人の声でした。

その後謎の声を聞くことはありませんでしたが、私はいったい誰に名前を呼ばれていたのでしょう。

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