一周忌

58 :本当にあった怖い名無し:2008/07/20(日) 01:11:38 ID:ilg5BLbc0
数年前、高校のときの部活の仲間のAが病気で亡くなった。
翌年、仲の良かった数名で一周忌をしようって話が出た。
ご家族は午前中に墓に来るそうで、それとずらして午後から、と。
俺は遠方にいるので行けなかったんだけど、4名が参加した。

その数日後に参加者の中の1人に電話で聞いたら、
なんでも墓に酒おいて墓の前でどんちゃん騒ぎしたらしい。
墓があるところが本堂より少し歩いたような場所をいいことに、
CDラジカセもっていってAの好きなバンドのCDをガンガンかけたり…。
まあ連中の気持ちとしては、「盛大に一周忌をやってやる!
俺たちはおまえのことは忘れないからな!」みたいな感じらしいんだけど。

で、その4名なんですが。
それから約1ヶ月間に、2人が同乗した車で事故。重傷で入院。
その2週間くらい後、もう1人も事故。ひどいムチウチに。

残りの1人は、一周忌の数日後に俺が電話した奴。
「俺も事故起こすんじゃねえか」と、心底びびってた。
そいつは、それが原因かはわからないけど、鬱になってた。
気になったからほぼ毎日メールをやりとりしてたら、
たまに全く意味不明な文章を書いてきたり。
あげく、よくわからん体調不良(だるさ)が続き、
仕事もでられなくなってしまったと。
病院で検査をしても、全く異常はないそうなんだけど。

それで俺はさすがにやばいなと思い、なんとかしてやらねえと、と。
もしかして、Aの霊魂が成仏できてなくて、
一周忌に来た連中にとりついてしまったのではないかと思ってた。

そんで、ネットで「お祓い」関係をいろいろ探してみたんだけど
なんだかいまいちな感じがしたんで、どうしようかと。
ふと、小中の友達で寺の息子がいるのを思い出し、コンタクト。
実家に電話をしたら、あっさり本人が出た。住職になってた。
そんなこんなで事細かに用件を話すと、
「俺ではわからないんでうちのオヤジに聞いてみる」と。
まあ兎にも角にもそれにすがるしかなかった。

数日後に住職から連絡をもらうことができた。
「同じ宗派のお寺さんで、お祓い関係に強いところがある。
値段は高いけど、そこへ一度行ってみてはいかがか。
行くなら話は通しておくんで、電話してから行ってくれ」と。

それからすぐに鬱くんを電話で説得した。かなり強引に。
そして1ヶ月以内に、俺は有給を使って何日か休みを取り、
鬱くんの家に行き、お祓いへ連れて行くことにした。
(もちろん俺も怖いのでお守りグッズを体につけて)
まあ鬱くん、久々に会ったんだけど、ほんと鬱で。
でも不幸中の幸い?で、まだ精神科などには通院していなく、
薬でおかしくなっているようなことはなかった。

数時間車を運転して、そこのお寺に到着。
ずいぶんじいさまの住職が出迎えてくれ、
「話は聞いてるから、すぐにやるべ」みたいな流れに。

俺は別室で待たされ、鬱くんだけ連れて行かれた。
待っているときに、数名でお経を唱えているのが聞こえ、
たまにパーン、パーン、みたいな音。あとは話し声みたいなのが。
もちろん、待っている間は気が気ではなかった。

だいたい1時間後(だったと思う)、じいさま住職と鬱くんが戻って来た。
鬱くん、表情が明るくなってて、「体軽くなってるよ」と。
それから、俺と鬱くんはじいさま住職から話を聞いたんだけど。

どうやらAの霊ではなく、浮遊霊とかそういう類の霊が憑いていたそうで。
墓場で騒いだりするからそうなったと。だいぶたしなめられていた。
鬱くんはなんとかギリギリの状態で保っていたのは、
鬱くんを守っている霊で力の強いのがいるから助かってたんだ、と。

お祓いが無事に終わったようだったのでほっとしたんだけど、
まだ帰りの車は正直かなり怖かった。
最終的に自宅に帰るまで、気を抜けなかった。

61 :本当にあった怖い名無し:2008/07/20(日) 01:32:23 ID:gMaZ81Y/0
他の三人どした

62 :本当にあった怖い名無し:2008/07/20(日) 02:08:33 ID:ilg5BLbc0
他の3人は、今はいちおう普通に生活はしている。
ただし、事故の後遺症でつらい奴もいます。
車がないと生活できない地域なんで、苦労してる。

じいさま住職の話では、1人の霊が4人に順番で憑いたとかで。
憑きやすいのからサックリと行ったんだろうってことですな。
墓の前でどんちゃん騒ぎして、悪い霊に恨みを買ったってことです。
書き方が悪かったかな。スマソ

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