一家心中のあった別荘の掃除

543 なんでも屋 sage 2008/05/16(金) 21:38:08 ID:cRqXzitO

>>542
オカルトというほど怖くはないかもしれませんが、
一家心中のあった別荘の掃除がありました。
ただ、血糊がべったりとかはありません。
死体とかそういうのは、特殊清掃といって、
衛生的に安全な手順を踏んだり、特殊な薬品を使うため、
うちみたいななんでも屋では引き受けなったようです。

依頼人はN県のリフォーム屋さん。
「一家心中のあった家の片付け掃除をしてほしい。
 家具や調度品など一切全て運び出して、そちらで処分してくれ」
新聞にも載った大きな事件だそうで、
地元の職人たちからは気持ち悪がられて全て断られたとか…

4tトラックとワゴン車で、バイト5人+社長の5人で向かいました。
20年程前に事件があって以来、誰も管理していないので、
庭は雑草というより雑木林のよう…
まずはバイトで、鎌と草刈り機で雑草を刈り取ります。
穴を掘って雑草を燃やしながら、別荘の中へ…

別荘の中は、ネットで見る廃墟とか廃屋そのもの。
事件のあった日付のまま、家具や調度品全てが残されてました。
それらをとにかく家の外に運び出す。
その途中、家鳴りが凄いのなんのって…
家のあちこちから…ビシィ!…ギシィ!…バァン!と鳴り響く。
急激に外の風を入れたからだろうと思いこもうとするものの…
ワゴン車のCDで社長の80sディスコをガンガンかけながら作業しました。

1日目はこんな感じ。
日暮れと共に里に帰り、商人宿に泊まり…

商人宿に帰ると、そこのおばちゃんが頼んでもないのに、
「あの事件はこうだった、ああだった」と詳細に教えてくれるんですよ…
夫婦2人、幼い子供2人が無理心中したって、いらない情報インプット…
おかげで社長を除く全員が、その夜は怖い夢を見たり、金縛りに遭い…

次の日は、全員早起きして朝0730から現地入り。
とにかく早く終わらせて、明るいうちに帰りたい一心w
家鳴りは昨日ほど酷くなかったので、
「やっぱり昨日のは、気圧とか湿度の関係だったんだろうな」
なんて思いつつ作業していたら…
なぜかカラスがグワァグワァとうるさい。
その上、パタパタ…とスリッパで駆け回る音が何度も聞こえる。
我々は全員がゴム底の安全スニーカーだから、パタパタ音なんかするわけがない。
壊せる木製家具やカーペット類を庭の穴で燃やしていると
そのうち、一人のバイトが「炎の中に子供が見えた!」とか反狂乱状態になるし…

しかし、社長がエッチな話を始めたら、空気が軽くなったような気がしたんで、
俺たちバイトもとにかく「チ○コマ○コセッ○ス」絶叫しながら作業を終わらせました。

で、ギャラは2日拘束で16,000円+出張手当で計20,000円。

後日談としては、「子供が見えた」と半狂乱になったバイトくんが
その後、毎晩のように金縛りに苦しみ、お祓いをしてもらったとか、
作業中は寡黙だったバイトくんが、実は霊感持ちで、
「作業中、ずっと血だらけの中年夫婦が我々を睨んでたんですよね」
「真っ白な煙みたいな子供が作業中の我々の周りを楽しそうに駆けていた」
と告白したぐらいですかね…

俺は実害はなかったけど、以後、その手の現場は絶対にお断りしました。

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