疎開してきた姉弟

434 名前:本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2008/01/27(日) 15:32:27 ID:XYbIZZp2O

んじゃ小学校教師用読み物から一つ 

戦争中、広島から祖母のもとに疎開してきた姉弟。広島に大きな爆弾が落ちた噂を聞き、両親のことを心配した二人は祖母に黙って広島へと歩いて向かう。 
湖に差し掛かった時、あたりの町で敵機襲来のサイレンが鳴り響き、町の人々は一斉に避難する。姉弟も草むらに避難するが、弟の足が滑り靴が片方湖に落ちてしまう。 
姉は木の枝に掴まり靴を取ろうとするが、枝が折れて湖に落ちてしまう。弟が助けに飛び込むが、深みにはまり二人とも溺れてしまう。 
姉弟の助けを呼ぶ悲鳴は町の人にも聞こえていたが、敵機が恐ろしくて誰も助けにいけない。「お母さん!お母さん!」二人の叫び声と水音はまもなく消えてしまい、その後湖の底に流されたのかいくら探しても死体は見つからなかった。 
しばらくすると、湖の傍を女の人が通り掛かると子供の声が聞こえるという噂を聞き、祖母が姉弟を探しにやってきた。確かに姉弟の声が聞こえた祖母が「おばあちゃんだよ、迎えに来たんだよ」と祈ると小さい靴と水筒が湖面に浮かんできた。 
祖母は靴と水筒を持って帰った。広島にいた両親はそれからも帰ってこなかった。 


この本、他にも沖縄の疎開船の話や、魚の呪いの話など鬱な話が満載なんだが、タイトルが「子供が喜ぶ現代のこわい話」。

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