親父の業
900 :本当にあった怖い名無し:2008/02/06(水) 18:15:24 ID:qzRCx3sn0 ひとつ昔の話を書かせてもらいます。 今から10年位前の話。 俺はその時26歳のサラリーマン。 その日、母から連絡があって、親父の調子が悪くて病院に入院したらしい。 お見舞いもかねて、久しぶりに実家に帰省する事にした。 家から実家までは、だいたい2~3時間で帰れる。 適当に2~3日分の着替えと荷物を持って車に乗った。 家を出たのが、だいたい夜の12時ぐらいだったはず。 車を走らせて40分くらいたった時、俺は国道から道を抜けて田舎道を走っていた。 なんとなく、ぼーっと走っていると、途中で車が捨てられていた。 たぶん廃車だろう。塗装は剥げて、あちこち錆びだらけだった。 何気なく見たら、中に男がいた。 「えっ?」と思って、道に車を停めて、道を歩いて戻って中を確かめたら、 確かに男がいたんだが、それは『男の人形』だった。 俺は少し落ち着いて、まじまじと男の人形を眺めていた。 その人形は本当に良くできていて、 店頭に飾ったりしている、無機質な感じの人形じゃなくて、 いうなれば、とてもうまくて生々しい絵を人形にした。 見た時はそんな印象だった。 それで、俺は芸術には興味ないんだが、その人形に惹かれてしまって、というか魅了されていた。 世界中の美女よりこの人形が美しい。そんな風に思っていた。 そして、気味の悪いことに、俺はそれを持ち帰ろうと思って、車に乗せて実家に帰った。 実家も近くなって、そろそろ田舎道を抜けようとした時に、 「すいません、×××××・・・(よく聞き取れなかった)」という言葉が聞こえた。 「あ?え?」 おれは困惑して、周りを見たが誰もいなかった。 弱々しい男の声だった。 空耳だろうと思い、気にもしないで家に帰った。 家に帰ったら母は寝ていて、実家は静かだった。母には悪いが、家に入って起こした。 母はとてもびっくりしていた。 「何もこんな夜中に帰ることは無いでしょ!」 「ごめん、休みが少ししか取れなかったから、急いで準備してきた」 それで、俺は自分の部屋で寝る事にした。 朝、俺は母と一緒に病院に行った。 親父は急に倒れたらしい。それで、特に異常は無いが、何故か体の調子が悪いらしい。 親父は元々ネガティブな考えの持ち主で、たぶん『病気は気から』という言葉があるように、 本人がまだ本調子じゃないと思い込んでいるんだろうって思った。 適当に励ましの言葉をいってやって、実家に戻った。 家に戻ると、廃車で見つけた人形のことを思い出して、俺の部屋に運んで飾っていた。 さすがに、裸のまんまの人形を置いていたらただ変態だから、俺の服を着せてやった。 それから特にすることもなく、夕方ごろにもう一度病院にいった。 病室で、母と親父が何か真面目に話をしていた。 俺が入ってくると、急に親父が「大事な話がある」と言ってきたので、 また何かネガティブな事考えてるのかな、と思いつつ話を聞くことにした。 「俺は、昔たくさんの動物たちを殺してきた。たぶん100はやっている」 「は?何いってんのいきなり?気が違ったのか親父?」 俺の言葉を流して親父は続けた。 「昔、俺は、動物とか弱いものを虐めるのが好きだった。 猫・犬・鶏を色んな方法で殺した。(ここから殺し方が入ったのではぶきます) ・・・とにかく、俺は最低な奴だった」 そこで母が、 「私は知っていたけど、その異常な行動以外は普通の人で・・・ それに、怖くて横から口を出せなくて、止めてあげることが出来なかったの・・・」 「いつから、していたんだ?」 「俺が子供のときから大学に上がるまでの間だ。 その後は、やっと自分の行動に歯止めを掛けることができた。 それからは、やっていない」 「何でそんな事したんだよ?」 「・・・・・」(何度聞いてもだんまりだった) 「でも、何で今更そんな事いうんだ?わけわからん・・・」 「3年ぐらい前から、殺した動物達が『迎えに来る』と夢に出てきた。 それで、頭痛で倒れた日の夢で、動物達に『今日連れて行く』と言われて頭を捕まれたとき、 俺の親父、つまりお前のおじいちゃんが動物達をはらいのけ、必死で説得してくれた。 『孫とこいつを、最後にお別れをさせてあげて欲しい』 『いや、今連れて行く』 『頼む。最後の一言を孫に言わしてやってくれ』 『・・・もう一度来る。その時はきかない』 それで目が覚めた。 それから考えて、母さんにお前を呼ぶように頼んだ。お別れを言いたくてな」 「いや、3年の間そんな夢見ていたのなら、坊主にお払いでもしてもらえよ!」 「俺は、ただ自分のために動物を殺していったから、これはしかたがない。 悪いのは俺だからな。地獄行きは確定だ。 そんなので坊主に頼めるか? 『昔殺した動物達に呪い殺されそうです。死にたくないので助けてください』 それは、いかんだろ・・・」 「・・・今日は帰るから。ちょっと頭を整理したい・・・」 それで、俺は実家に帰っていった。 部屋に篭って考えていた。 ふと、なんとなく部屋の人形を見ていたとき、気のせいかもしれないが、 人形が「そろそろですね」と言いながら微笑んだ。 俺は完全に混乱して、頭がイっちゃったのかなと、そのまま眠った。 夜中、目が覚めた。とても嫌な予感がした。虫の知らせとなのかな。 俺は病院にいった。親父の部屋にいったのだが、特に異常は無かった。 まじでほっとした。涙がぼろぼろでた。本当に怖かった。 落ち着いて、親父の部屋から出ようとしたとき、全身の毛が総立った。 心臓の音もばくばくいっているのがわかる。 部屋の左を曲がった廊下の奥のほうから、何かがくるのがわかった。 霊感も無い俺だが、こいつはマジでやばいと直感で感じた。 人形だった・・・ 俺は人形が歩いて来る中で冷静に考えていた。 え?なんでこいつがいるんだ!?親父は動物に恨まれているんじゃないのか!? こいつが親父に何かしようとしていることは、なんとなくわかったが、 でも、そんなこと考えているうちに、俺のそばまで人形が来ると、無表情な顔で、 「僕は『うじおや』なんです。だから『てんさつば』を与えにきました」 (『うじおや』『てんさつば』たぶんそう言っていた。何の事かわからないです) そいつは部屋に入って、動物の鳴き声みたいな声を上げていた。 俺は体をなんとか動かして部屋を見たら、人形はいなくて、親父は普通に寝ていた。 起こしたら、親父は「すまん、すまん、お前に本当にすまん・・・」。 次の日、親父は病院を散歩している時に、車に轢かれて死んだ。 病院の散歩コースに車が突進して頭を潰した。車を運転していたのは母です。 この後、母も1年後に親父を追って自殺するのですが、遺書に、 『私も××(親父の名前)に毒されていたのでしょうか、動物を殺したことがあります。 ×××(俺の名前)本当にごめんね、次は私の所にきました、こんな親を許してください。』 親父の葬式の日の夜、家のどこかであの人形を見た。微笑んでいました。 10年経った今は、俺は何ともありませんが、実家は捨てました。 俺には、もう血縁はいないはずです。知っていたのが、父方のおじいさんだけですので。 それに、この『恨み』が俺に来ないようにしたかったからです。 100もの動物達の恨みは、こんなもんじゃ治まらない気がしますので。 あの日以来、人形は見当たりません。どこかにいったんでしょう。 最後に、俺は動物に嫌われます。犬にも鳥にも猫にも、いつも威嚇されます。 一度、猫に指先の肉を噛み千切られたことがありました。本当にさきっちょですが。 たまに、もう『恨み』は俺にも来ているんじゃないか、と不安になります。 907 :本当にあった怖い名無し:2008/02/06(水) 21:44:33 ID:6k6cvdc80 >>903 うじおや=「氏親」かな?氏神様なのかな? てんさつば=天を向いて唾を吐く=自分の顔に帰ってくる=悪事は身に返る ということなんでしょうねぇ。 ご両親への恨みは、貴方が図らずも氏親である人形を身近に寄せたこと、 悲しい形でご両親との別れを迎えたことで、 ある意味業を晴らしたことになるんじゃないか、と思えたり。 怒りや恨みが収まらなかったら、もっと怖い思いをさせられたんじゃないかと。 気になるなら、氏神様に御参りをしてみるのも良いかもしれないですね。 912 :本当にあった怖い名無し:2008/02/07(木) 00:55:26 ID:JvBWMRcY0 >>907 ありがとうございます。 相談するのもいいですが、仕事が忙しくて中々どうですかね・・・。 あと、此処に書いてなかったのですが、 俺も、動物が死ぬ映像を見ると、ほっとするのでしょうか、安心するときがあるんです。 実行はしたこと無いです。 たぶん私自身、病んでるかもしれません。 でも、代々こんな一族なら、俺の代で子供を作らずに終えるつもりです。 こんな気味の悪い書き込みすいませんでした。 でも、誰にもいえなかったので、 『オカルト』という枠で、不特定多数の方が聞いてくださって、少し心が穏やかになりました。 ではでは、長文失礼しました。





