帰宅している途中

976 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・[] 投稿日:03/02/26(水) 01:48
ある冬の夜、僕は車を運転して帰宅している途中でした
いけないことなのですが仲の良い女の子の家でちょっとお酒を飲んでしまい、
ほろ酔い加減で運転していました。
そしたら言わんこっちゃ無い、カーブを曲がった先でお回りの検問に出くわしてしまいました。
ぼくは驚いて咄嗟に検問のすぐ手前の路地に飛び込みました。
路地はちょっと進むとすぐに袋小路になっていました。
検問されてる道は一方通行だったので、戻ることが出来ません。
おまわりは追いかけてはきませんでしたが、
無用に怪しまれるといけないと思って、とりあえずエンジンを切り、ライトを消しました。
(あんな路地に飛び込んだこと自体、充分怪しいのではありますが。)
そこは工場か何か、大きな建物と建物の間の隙間で、電灯が無く、真っ暗でした。
さてどうしたものかと5分ほど思案してるうちに、暗闇に目が慣れてきました。
すると、さっきは誰も居なかった路地に、なにか人影のようなものが
見えるような気がしました。
始めは錯覚だろうと思ったのですが、
淡く人間の輪郭が暗闇に浮かび、車の周りを歩き回っているように見えました。
目がさらに慣れていくうちに、それはだんだんはっきり見えてきました。
背が低く、子供のようでした。それも、4、5人いるように思いました。
急に背筋が寒くなり、いても立ってもいられなくなり、
破れかぶれにライトをつけました。

壁があるだけでした。

しかしあまりにも気味が悪く、一刻も早くそこから離れたかったので、
免停もやむなしと、エンジンを付けてバックギヤを入れ、後ろを振り向きました。

一体いつからそこに居たのか。
うちのかみさんが後部座席で僕をにらみつけていました。

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