猫恐怖症

684 :1/2:2007/12/08(土) 14:40:54 ID:azXnZAlT0
友達から聞いた話。

友達が4、5歳だった頃、近所に小さな野良猫がいたそうです。
子猫が凄く可愛いくて仕方がなかった友達や近所の子供たちは、毎日めちゃくちゃ可愛がった。
今思えばそれは加減できない子供の可愛がり方であって、何人もの子供に執拗に抱っこされ、
連れまわされて、子猫にとっては苦痛でしかなかったのかも知れない。

だからだろうか、子猫は数日後に皆の前から姿を消してしまった。
最初は寂しがっていた子供たちも、いつしかその子猫のことを忘れつつあった。

それから数ヵ月たったお盆のある日。
友達の母親と母親の妹である叔母が一緒に庭にいたところ、物置と化している離れから物音が聞こえた。
二人は不審に思い、戸惑いながらも離れに行って、そっと引き戸を開けた。
中は真っ暗で、明かりをつけようにもなぜか電気のスイッチが押してもつかない。
中に不審人物がいたらと思うとそれ以上踏み込むのは危険に思え、暗闇の中にじっと目を凝らす。

すると見えてきたのは見覚えのある毛並みの、懐かしいあの子猫。
子猫は成長して大人になっていたそうです。

子供たちは子猫をこの離れである物置に連れ込んで遊んだりもしていた。
だからきっとここを覚えていて、また戻ってきたんだよね、と二人は声をかけた。
暗闇の中で背を向けたまま佇み、ぴくりとも動かない猫に、
「帰ってきてたのね」「おかえり」「○○ちゃん」「おいで」などと優しい言葉をかけた。
すると猫がゆっくりと立ち上がって、二人はそこで初めて猫の様子がおかしいと気づいた。

猫の立った姿というのが、通常の四本足ではなく後ろ二本足で、人間のように立った姿だったから。

そして猫はまるでブリキの玩具のように、音にすると「クキキ…」といった風に、
首だけを不自然に動かして二人がいる方を見てきた。
体は後ろを向いたままなのに、顔はこっちを向いているという異様さ。
目はまん丸に見開かれ、口元はこれ以上ないほどに食いしばり、血まで滴らせて。

もう二人は恐怖のあまりサンダルが脱げるのも構わず転がるようにして家へ戻り、
すぐにお払いしてもらって、あの猫を見たのはそれが最後だったそうです。
きっと子猫の頃に姿を消した時かそのすぐ後に不慮の事故か何かで死んでしまって
悔しさを伝えに出てきたんじゃないだろうか、可哀想なことをした…と。

友達はその話を母親に聞かされてから何日も号泣して、今でも若干猫恐怖症だそうな。
私はこの話を時々思い出しては怖くなり、頑張って可愛いナメネコを想像してみるも、
目を見開いて歯を食いしばり血を垂れ流すイメージが払拭できないでいます orz

携帯から怖くもない話カキコしてごめん。

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