ガマ

721 :本当にあった怖い名無し:2007/09/09(日) 21:16:04 ID:MiAwre7v0
高校生だった時の話。ほんのり怖くないかも。
修学旅行で沖縄に行ったんだ。
有名な所を観光して最後にガマって呼ばれる戦時中に使われた自然洞窟へ。
行く前から霊感体質だった友人は「怖い」「行きたくない」を連呼していたが
自分はどういう訳か怖くなくて霊感ある奴は大変だ、くらいにしか思わなかった。
一人ずつ懐中電灯を持ちクラス全員が入った所でガイドが当時の事を話し始めた。
懐中電灯を消してくれと指示をされたので皆で消し、それから数分後
目の前の手さえ確認出来ない暗闇の中で話し声がどこからか聞こえてきた。
声から察するに小さな子供とその両親。
子供がはしゃぐのを両親が優しく「静かにしなさい」と言っている。
それでもガイドが淡々と話す中で子供がキャッキャッ楽しそう。
なんだかなー静かにさせろよ、まぁいいけど。とその時は別に何も思わなかっし
外に出て友人が「もう嫌だー!」と涙目だったで親子の事は聞けなかった。

それから数日後、地元に戻って来て修学旅行の感想を書く事になり
友人と談笑していた時に聞いてみた。
「そういやガマに入った時の親子、子供はしゃぎ過ぎじゃね?」
「…何それ、知らん。親子?どこにいたの?」
「だから、ガマの中に親子。いたろ?」
「私達しか…いなかったよ。先にいたとしても気付くだろうし、
後から来たとしても目の前5cmも確認出来ない暗闇の中で
明かり無しに足場の悪い中を子供連れで来れる訳がないだろう…ってマジ話?」
友人は思いっきり血の気が引いた様な顔をしていた。
他に聞いていた人が一人いてなんとか信じてくれた。
未だにあの声は覚えていて、とても微笑ましい親子だったのかな?と想像してしまう。

あんまり怖くなかった。スマソ。

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