桐野夏生のグロテスク

266 :本当にあった怖い名無し:2007/08/19(日) 01:28:50 ID:R8yXf08j0
2年ほど前の話
俺はいつも就寝前に布団の中で本を読むんだがその頃、
桐野夏生のグロテスクって小説が流行っていた。面白い小説でついつい夜更かししてしまうことがあった。
その夜も気が付けば2時を過ぎていて、そろそろ寝なくてはと思い、あと5分だけと決めてページを捲ったのだが
そのページはメチャクチャだった。どういう事かというと、行間もフォントも文字サイズも統一されておらず、
一見するとドラマなどに出て来る切り抜きで作った予告状のような様相で、俺はギョッとしたのだが、
その1ページだけだったので、これは演出の一つで後の展開に重要な布石なのかと、取りあえず読み進めた。
しかし、その文章は意味不明なもので、例えば人間の悪意がどうとか、どこかの惑星系がどうとか
政治スローガンのようなものなど、本編とは一切関係の無さそうな内容が、取り留めもなく書かれていた。
俺は下らない演出に付き合ってられないと、そのページを飛ばした。
次の日、やはり昨夜のことが気になって、もう一度読み返してみたのだが、
そのページを見つけることが出来なかった。
何度も確認してみたが、そのページは無かった。

前の話へ

次の話へ