出ると有名な峠のトンネル

569 :1/2:03/04/14 23:22
出ると有名な峠のトンネルがあった。
そのトンネルのすぐ手前には信号があり、青の時にそのまま通過してしまうと間違いなく出るとの話だった。
青の時は信号が赤になるまで止まって、赤から青に変わった時に出ないといけないらしい。
それを聞いて面白がっていた先輩が友人ら数人と深夜にそのトンネルに肝試しに行くことにした。
先輩たちは、車でそのトンネルを通り抜けた。
最初はちょっと覚悟はしていた。しかし、何も出なかった。
「なんだ、やっぱりガセか・・・。」先輩と友人たちは少しホッとしつつも何も無かったことにがっかりした。
やっぱり出ないのか、とそのトンネルを何度も往復した。

そして、どのぐらい往復した頃だろう。やがて、麓から一台のパトカーがやってきた。

そのトンネルは峠であるにもかかわらず、近くに結構民家があった。
先輩たちは、「こんな深夜に何度も往復していたから苦情でも出たかな。」と思った。
車を路肩に停めると、パトカーから警官が降りて来た。
警官は先輩の車の運転席の窓ガラスをコンコンと叩いた。先輩は窓を開けて謝った。
「すみません。深夜に何度も往復してたから・・・苦情が出たんですよね」
それを聞いた警官は、オマエら何を言っているんだ?という顔をした。
そして警官はこう言った。
「近隣から通報があったんだ。・・・屋根の上に人を乗せて走っている車があるって。」

前の話へ

次の話へ