今から50回忌をするから

323 :本当にあった怖い名無し:2007/06/01(金) 17:14:57 ID:Qk7MkrEJ0

発熱して数日寝込む事に。
めったに日数かけず治すのに、その時は中々治らない。
うつらうつらしていた夕暮れ時、いきなり金縛りに。
必死で目を覚まして、すぐにまた睡魔が襲ってきたけどまた引き込まれたら強い金縛りにあうのはわかっていたんで
なんとか起き上がって眠気が抜けるのを待った。
ようやく落ち着いたのでまた横になったらすぐに夢をみた。

両親と私。年の離れた姉や兄は居ない。
「今から50回忌をするから」という父の言葉。
50回忌?誰の?と思ってる間もなく二人は別室へ。
だだっ広い部屋に、大きな仏壇だけがある仏間。
オボーさんは?姉や兄は?誰の?
座布団が4枚、2枚ずつ並べてあった。
前の右に父が座り、その後ろ左に母が。
私は自然と母の横に座った。父の隣だけが空いている。
二人はお経を唱えはじめたの。歳の割りに信心深くなくてお経なんぞ知らないはずの両親なのに。
私も下を向いてごにょごにょ唱え始めたら、涙がとめどなく流れてきた。
ふと、気がつくと二人のお経は終わってる。
顔を上げたら、父の隣に白髪のおばあさんが、背をしゃんとして座っている。
そのお婆さんが私のほうを振り向いて
「この二人と、あんたたち三人だけでいいから、私の50回忌をしておくれ」
そこで目が覚めた。
熱がさがってすっかり気分は爽快になっていた。

あの夢のお婆さんは一体誰?
思いを巡らせてふと気がついた。姉が赤ん坊の頃亡くなった父方の祖母。
姉は51歳。
早速実家に電話してみた。「そんなのただの夢だよ~」とコバカにする母が今回はすぐに電話口に位牌を持ってきた。
命日2月25日・・あと一週間だ・・。
たいてい霊感の強い私はよくこうしたメッセンジャー役に使われる。
もちろん50回忌やりました。
人間亡くなってからも50年は執着、煩悩が取れないらしい。
このままじゃ、50回忌、誰も思い出してもらえない。やってもらえない!
と思った祖母の最後の執着だったんだと思う。
50年したら戒名も不要になるそう。
○○家先祖代々の零位の位牌に入るんだそうな。
みんなして忘れててごめんね、お婆ちゃん。

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